Electronic Artsは、PC向けに展開していた複数のFree-to-Playタイトルのサービスを終了すると発表した。対象となるのは『Battlefield Heroes』、『Battlefield Play 4 Free』、『Need for Speed World』、『FIFA World』の4タイトル。EA StudiosのEVP(副社長)であるPatrick Soderlund氏が、EAの公式ブログにて明らかにしている。
今回対象となったPC向けFree-to-Playタイトルに関してSoderlund氏は、「かつてのような人気がなくなったゲームである」とコメント。「開発を停止し、サポートを段階的に縮小してゆく"難しい決断"を下した」と続けている。90日後、およそ3か月後に各ゲームのサービスは終了し、サーバーはオフラインになる。
EA傘下のスタジオBioWareが2011年にリリースしたMMO『Star Wars: The Old Republic』は、今回サービス終了となるタイトルには含まれていない。同作はFree-to-Playとサブスクリプションをハイブリッドしたモデルにて運営されている。今回の発表では、同作においてはストーリー主導のアップデートが2015年中も続くと宣言されている。
「これらのタイトルの大部分は5年以上前にローンチされたが、我々がゲームをプレイするやり方は劇的に変化した」。Soderlund氏は公式ブログにて、今後も常に新しいコンセプトや手法を検証しゲームにもたらすと話している。
なおEAが今回、一部のFree-to-Playゲームに見切りをつけた一方で、2012年5月にサービスが開始された基本無料のブラウザゲーム『Command & Conquer: Tiberium Alliances』のサービスは現在も続けられている。
それぞれの終焉
『Battlefield Heroes』は、2009年にサービスが開始された三人称視点のアクションシューターだ。DICEの人気FPSシリーズ『Battlefield』をベースにコミカルな世界観を展開したタイトルで、開発はEasy Studiosに引き継がれていた。本作は2015年7月14日にもサービスを終了する見込みである。新規アカウントの取得は現在も可能だが、「Play4Free Funds」など一部コンテンツの販売はすでに終了している。同じくEasy Studiosが開発する『Battlefield Play 4 Free』は、『Battlefield 2』をベースとした基本無料のFPSタイトル。2010年にクローズドベータが開始された。こちらも2015年7月14日にサービスが終了する予定となっている。
『Need for Speed World』も同じく7月14日にサービス終了となる。2010年にローンチされたタイトルで、開発は『Need for Speed』シリーズを手がけたEA Black Box(旧Quicklime Games)と、EAシンガポールが担当している。EAカナダが手がけていた『FIFA World』は、まだサービスが展開されてから1年半ほどしか経過していないタイトルだ。2013年11月からブラジルとロシア、2014年5月から全世界でサービスが開始された。およそ18か月間にわたりベータテストが実施されていたが、正式ローンチに至らず開発は終了することとなった。いずれのタイトルも公式サイトにて、参加したプレイヤーたちへ感謝の言葉を述べている。
Soderlund氏が公式ブログにて述べたように、近年EAは従来実施してこなかったサービスや手法を展開している。PCゲーム配信プラットフォームOriginでは、一定の期間に限り無料でゲームを提供する「Originからのプレゼント」や、制限時間付きではあるものの製品版がそのまま遊べてしまう体験版サービス「ゲームタイム」を提供してきた。また、Xbox One向けには、加入者が先行体験版や無料ゲームライブラリにアクセスできる4.99ドルのサブスクリプションサービス「EA Access」を提供している。