『Fallout 4』新サバイバルモードの詳細が明らかに、フォーラムの未公開情報を公式が認める

『Fallout 4』の最新のアップデートファイルを解析したユーザーが、生まれ変わったサバイバル難易度に関する追加機能の詳細な内容を、海外フォーラムRedditに投稿した。Bethesdaは解析したファンを賞賛すると共に、未公開情報の内容を認めている。

先日、最高難易度にあたる「サバイバルモード」へ大幅な改変を加えることが発表されていた『Fallout 4』。前作『Fallout 3』の人気Modにはじまり、Obsidian Entertainment開発のスピンオフ『Fallout: New Vegas』にも実装された「喉の渇き」「空腹」「疲労」といったサバイバルシステムに加えて、「病気」の概念が追加される予定だ。そんな中、今月22日に配信された最新のアップデートファイルを解析したユーザーが、生まれ変わったサバイバル難易度に関する追加機能の詳細な内容を、海外フォーラムRedditに投稿した。「クイックセーブ」や「ファストトラベル」など、既存の機能が制限されているほか、戦闘シーンを大きく左右する「アドレナリン」といった、いくつかの新要素も含まれている。開発元であるBethesda Game Studiosは、Twitterの公式アカウントにて、解析したファンを賞賛すると共に、未公開情報の内容を認めている。

新たな「サバイバルモード」で大幅に仕様変更および機能追加が施される内容は、セーブ全般の機能制限、ファストトラベルの廃止、コンパスに表示される目的地までの距離の調整、戦闘におけるダメージ調整と「アドレナリン」機能の追加、「喉の渇き」「空腹」「疲労」といった健康状態の概念、「疲労」に伴うAP(アクションポイント)への影響、ベッドの種類に応じた睡眠効率の差異、「病気」のコンセプトと「抗生物質」のクラフト・販売、インベントリの重量オーバーに対するペナルティと手足の負傷への影響、弾薬の重量実装、戦闘不能になったコンパニオンに関する仕様、敵NPCとルート(お宝・資源)の再増殖率と、多岐にわたる。

 

セーブ・ファストトラベル・コンパスが不便に

Preston Garvey Image Credit: Fallout Wiki
Preston Garvey
Image Credit: Fallout Wiki

まず、セーブ機能全般は大幅に制限される。クイックセーブは完全廃止。また、従来はエレベーター移動中を除いて、ほぼいつでもどこでも可能だった手動セーブもできなくなる。ゲームの進行状況をセーブするには、ベッドや寝袋などの睡眠できる場所でゲーム内の時間にして1時間以上休まなければならない。これにより、戦闘やスピーチチェックの直前にセーブしてクイックロードで何度もやり直すリセットプレイはできなくなる。また、ウェイストランドの探索やサブクエストの攻略に便利だったファストトラベルも利用不可に。どこへ行くにも徒歩で移動しなければならない。みんなのアイドル「プレストン・ガービー」のお節介をはじめ、ただでさえ煩わしかったお遣いクエストは、まさに拷問と化すだろう。さらに、目的地に近づいた際にコンパス上で確認できる残り距離も、極端に接近しないと表示されないよう調整される。

 

戦闘におけるダメージ増加とアドレナリン機能

戦闘行為はさらにリスクを伴うものになる。ダメージに関する数値バランスが大幅に見直され、敵に対してより多くのダメージが通る一方で、同時に相手から受けるダメージも増大する。加えて、「サバイバルモード」をONにすると、自動的に「アドレナリン」という「Perk」が追加される。「アドレナリン」は、敵対・中立を問わずNPCを倒すことでランクが上昇していき、高いほど戦闘中に与えるダメージが大きくなる。ただし、1時間以上の睡眠を取ることでランクは低下する。つまり、眠らずに長時間活動し続けるほど攻撃にバフが掛かり、戦闘を優位に運べるが、後述する「疲労」によるペナルティも働くため、休みどころが肝心になるということだ。なお、現在の「アドレナリン」ランクは、Pip-Boyの「Stat」タブで確認できる。戦闘がより危険になることで、真っ向から銃を乱射していれば切り抜けられた超人アクションが、緊張感を増した真のサバイバルに姿を変えること間違いなしだろう。

 

健康状態・病気の影響と抗生物質の需要

過去作『Fallout: New Vegas』の「ハードコアモード」に実装されていた「喉の渇き」「空腹」「疲労」のステータスが戻ってくる。水分や食料を定期的に摂取し、時間経過と共に適度な睡眠を取らなければ、「SPECIAL」に段階的なペナルティが課されるという健康状態をつかさどるシステムだ。今作の「疲労」は従来とは異なり、値を示す赤いバーがAPゲージの最大値を減少させていく仕様。放射能汚染度を示す赤いバーが最大ライフを減少させるRad値と同じ仕組みである。さらに、疲労困憊に陥ると免疫が低下し、後述する「病気」にかかりやすくなる。結果、AP不足でスプリントや「V.A.T.S.」が使えなくなるだけでなく、体調管理の油断が死に直結する可能性もあるだろう。また、疲労値はベッドやマットレスで休めば回復するが、寝床の種類によって連続で眠れる時間が異なることにも注意が必要。フカフカのベッドなら十分に安眠できるが、野外に放置された寝袋やボロボロの即席マットレスでは、仮眠の応急処置にしかならないというわけだ。

新たに導入されたステータス異常「病気」は、調理されていない肉を食べたり、汚染された水を飲んだり、グールや害虫(シリーズを象徴する巨大な“アレ”)といった媒体からダメージを受けたり、ドラッグを乱用したりと、何気ないアクションの副作用として発現する。低リスクなものから死に至る効果まで、状況に応じた多種多様なペナルティが、プレイヤーを悩ませるだろう。さらに、これに応じて「病気」を治療するアイテムとして、「抗生物質」が登場する。ケミストリーステーションでクラフトできるほか、医療関係者から購入することも可能だ。なお、何らかの「病気」が発症した際は、スクリーンにメッセージが表示される。また、現在患っている「病気」は、Pip-Boyの「Data」タブで確認できる。

 

重量オーバーのペナルティと手足への負担

これまでインベントリの重量オーバーは、走れなくなってファストトラベルが使えなくなるくらいしかデメリットがなかった。しかし、究極のリアリティを追求した真の「サバイバルモード」では、物を持ちすぎると「Endurance」と「Agility」に減点が付く。また、その状態で動き続けると、両足へのダメージが蓄積するだけでなく、キャラクターのライフそのものも減少してしまう。さらに追い打ちをかけるように、従来は無限に持ち運べた弾薬に重量が設定される。これもシリーズではお馴染みのハードコア改変だ。もちろん、弾薬の種類ごとに負担が異なる。ミサイルランチャーの弾頭や「Mini Nuke」、パワーアーマーの動力源やガトリングレーザーのマガジンとして使用される「Fusion Core」は、当然のことながら小銃のカートリッジやショットガンシェルより重いため、一度にあまり多くは持ち運べないという具合だ。

 

やられたまま放置すると実家に帰るコンパニオン

Strong Image Credit: Fallout Wiki
Strong
Image Credit: Fallout Wiki

死んだらそれっきりだった『Fallout 3』や『Fallout: New Vegas』とは打って変わって、『Fallout 4』ではコンパニオンが倒されても戦闘不能に陥るだけで、「Stimpack」で回復してやるか時間が経過すれば復活してくれる。この不死身仕様は「サバイバルモード」でも健在だが、その代わりにただ放っておいても回復しなくなる。ダウンした仲間は必ずアイテムを使って助けてやらないと自力では立ち上がってくれない。それどころか、負傷した状態で放置したままその場を去ると、コンパニオンが元々拠点としていた“実家”に帰ってしまうのだ。信頼度が上がるとゴキブリの肉をプレゼントしてくれるスーパーミュータント「ストロング」のように、仲間はとても大切にしよう。

このほか、一度クリアリングしたエリアに再度NPCやアイテムがリスポーンするまでの時間が延長された。これにより、大量に敵が湧くエリアを反復して掃除することで、延々と経験値やボトルキャップ、弾薬の類を荒稼ぎする行為は難しくなるだろう。ファストトラベルの排除も相まって、純粋にクエスト攻略でもらえる経験値の有り難みが増し、それに伴い慎重なスキルポイントの割り振りが求められそうだ。あとはレベル上限さえ再び設けられれば、オールマイティな超人には決してなれないユニークなロールプレイングが楽しめること間違いない。生まれ変わった「サバイバルモード」の実装で、苛酷なウェイストランドが真の姿を現すことを期待したい。

Ritsuko Kawai
Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

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