「Desura」や「Indie Royale」の親会社Bad Jujuがチャプター11を申請、破産後に再建へ
海外の大手業界メディアGamasutraの報道により、PCゲーム配信プラットフォームDesuraやバンドルサイトIndie Royaleの親会社であるBad Jujuが破産したことが明らかとなった。破産情報をオンライン上で共有するInforuptcyでも確認できる。チャプター11を申請していることが明らかにされており、日本における民事再生法と同様の形で、Bad Jujuは今後再建を目指すことになる。
「Desura」の歴史
「Desura」はPCゲームの配信プラットフォームであり、Scott Reismanis氏とメルボルンに位置する彼の小さな会社DesuraNETによって2010年から一般リリースが開始された。Reismanis氏は2002年にModコミュニティサイト「ModDB」を設立、2010年にはインディーゲームのコミュニティサイト「IndieDB」を設立。さらにインディーゲームのニュースWebサイトIndieGames.comと共に「Indie Royale」をオープンしており、インディーゲームやModコミュニティの後押しを進めてきた著名な人物でもある。
「Desura」は2013年7月に『Second Life』などで知られるLiden Labに買収される。さらに2014年11月、Bad Jujuによって「Desura」と「Indie Royale」が買収された。その後、2015年5月にも複数の開発者らが、「Desura」からの支払いが滞っていることを告発した。「Desura」側は買収後のシステム移行が上手く進んでおらず、また同社CEOのTony Novak氏が入院しているとも釈明し、時が経てば支払いが必ず完了することを約束していた。
なお表記上、「IndieDB」および「ModDB」はScott Reismanis氏の会社「DBolical Pty Ltd.(DesuraNET)」が運営している。今回のBad Jujuの破産が直接的に影響するとは思えないが、今年2月にも両サイトは、Adblockにより広告収入が半減していることを訴え、寄付を募っていたばかりだ。現在のような大規模なコミュニティを抱え続ける体制が維持できるのか、今後の情報に注目が集まる。
インディーとMod押しだったが
Desuraは2009年からベータテストが開始され、2010年から正式サービスがスタートした。いわゆるSteamなどと同じゲーム配信プラットフォームだったが、当時はインディーゲームやModを中心とするコンテンツ展開が約束されており、新たな勢力を築く可能性があるのではないかと一部から注目を浴びていた。
だがその後、2012年にSteamが主にインディーゲームの配信を選定するSteam Greenlightを開始。さらに同年、Modへのユーザーフレンドリーな統合を果たすStem Workshopが開始されると、Desuraのその可能性は急速に萎んでいったように思える。Desuraは「Steamで購入できないインディーゲームを買う場所」という立ち位置に陥り、特に目立った対策や動きもないまま沈んでいったように見えた。
Desuraの未来は
現在Bad JujuのCEOであるNovak氏は沈黙を守っており、公式声明なども出されていない。海外メディアGamasutraは社員とコンタクトを取ったようだが、Novak氏は「何も話さない、答えないように弁護士に言われた」と返答しており、内部事情を伝えていないのだという。今後Desuraがどうなっていくのかは不明瞭だが、最終的にはどこかの企業に買収されるか、再建したBad Jujuがサービスを続けるか、精算され終わりを迎えるかのどれかになるだろう。利用していたユーザーは、いまの内にDesuraからゲームをダウンロードしておき、Indie RoyaleのキーをSteamでアクティベートしておくことをすすめる。