カナダのインディースタジオ Studio MDHRは10月12日、現在開発中のXbox One/PC向けタイトル『Cuphead』の発売時期を2017年中頃まで延期すると発表した。
当初2014年発売としていた『Cuphead』はマイクロソフトのXNA Frameworkを用いて制作されていたが、より多くのプラットフォームとの互換性を考慮してUnityで作り直すことになり2015年へ延期された。その後、マイクロソフトと提携しプラットフォームをXbox OneとPCに決定したが、同時にアートワークやゲームの構造などをブラッシュアップすることを決断して2016年へと延期した。そして今回、年内の発売を模索してきたが、Studio MDHRが目指すクオリティを実現させるため2017年中頃への再延期となった。
『Cuphead』は、1930年代のアニメ(ミッキーマウスやポパイなど)から影響を受けた手描きのアートワークと、古いブラウン管テレビで映したようなビジュアルが特徴の2D横スクロール・アクションゲームだ。主人公のCuphead(赤パンツのキャラクター)とMugman(青パンツのキャラクター)は悪魔とのギャブルに負けてしまい、借金を返すため悪魔の命令に従うことになる。
そのゲームプレイも昔なつかしいという表現が当てはまる。公式にリリースされてきたプレイ動画では、このゲームのメインとなる巨大なボスとの戦いがおもに披露されてきた。ボスの攻撃パターンを読み、指先から放つ弾を撃ち込んで攻撃するオーソドックスな2Dアクションだ。今年になってようやく公開されたボス戦までのステージ道中では、足場をジャンプして進みつつ敵を倒していく様子も披露。ここでは同種のジャンルのさまざまな名作の影響を見て取れる。そのほか、飛行機に乗って進むシューティングステージも存在するようだ。二人協力プレイに対応(画面分割ではない)しており、発売後にはオンライン協力プレイの実装も検討しているとのこと。
Studio MDHRは『Cuphead』を制作するにあたり、多くの日本のゲームから影響を受けたとし、『スーパーマリオワールド』『ガンスターヒーローズ』『魂斗羅スピリッツ』『ストリートファイターIII』『ロックマンX』シリーズ、そしてシューティングステージに関しては『斑鳩』『レイディアントシルバーガン』『サンダーフォース』シリーズなどを挙げている。
クラシックで挑戦しがいのありそうなゲームプレイはもとより、高度に再現された古めかしいビジュアルが逆に新しく、その発表以来期待のゲームのひとつとして注目されてきた『Cuphead』。さらなる延期は残念だが、開発者も納得していない状態での発売を望まないのは誰もが一致するところだろう。
『Cuphead』はXbox One/Windows 10 /Steam向けに2017年中頃に発売予定。SteamではMac版も後から発売されるとのことだ。(コンソール版はXbox One独占となる)。
開発元Studio MDHRのマーケティング担当Ryan Moldenhauer氏に『Cuphead』の日本での発売について伺ったところ、次のように話してくれた。
【UPDATE 2016/10/13 13:30】 日本での発売に関する文章を追記しました。