米国のパブリッシャーActivisionは、Treyarchが手がける人気FPSシリーズ最新作『Call of Duty: Black Ops 3』をPS3/Xbox 360向けにもリリースすると発表した。全対応プラットフォームはPS3/PS4/Xbox 360/Xbox OneおよびPC。大多数のゲーム企業がE3に合わせ次世代機であるPS4/Xbox Oneのみで発売するタイトルを発表するなか、旧世代にも対応する人気シリーズの最新作にはファンから不安の声も投げかけられそうだ。
なお今回、過去作でリリースされたWii U版は、『Call of Duty: Black Ops 3』では登場しないことも明らかにされている。
Co-opモードなどで制限
『CoD: Black Ops 3』は今年4月に入ってから正式発表されたタイトルで、『Call of Duty』が3スタジオによって3年サイクルで開発されてから初めてTryearchが手がける作品となる。従来の『Black Ops』シリーズのストーリーを引き継ぎつつ、キャンペーンが4人Co-opに対応するほか、『Call of Duty: Advanced Warfare』と似たさまざまな移動アクションを盛り込む。発表当初、すでにPS4/Xbox OneおよびPC向けにリリースされることは明かされており、今回PS3/Xbox 360での発売が次いで知らされたかたちだ。
Activisionは今回の発表にて、PS3/Xbox 360版でも、『CoD: Black Ops 3』のキャンペーンやマルチプレイヤー、ゾンビモードが他の機種版とほぼ同じゲームプレイであるとコメント。一方で一部違いもあるとし、Co-opモードは2人に制限されており、ほかにも一部の要素が盛り込めないと説明している。機種ごとに搭載される機能の違いに関しては、今後情報が共有されていくとのことだ。
マルチプラットフォーム化による弊害として謳われるのは、複数のプラットフォームへの最適化にリソースが分散されることから始まる。今回のケースなら、旧世代機が存在することによりさらにスペックの振れ幅が広がり、次世代機と比較すると低スペックであるPS3やXbox 360に開発を合わせることを、開発陣が常に意識する必要がある、との意見も出るだろう。もちろん全てのゲームにマルチプラットフォーム化による弊害があるわけではないが、美麗な3Dグラフィックや多数のオブジェクトやキャラクターが登場する作品であれば、そういった影響は免れない。
Activisionの看板タイトルとも言える『Call of Duty』は、売れば1千万本以上は売り上げるドル箱シリーズだ。同社に莫大な利益を毎年もたらしており、旧世代のパイを簡単に切り捨てられなかったことは理解もできる。一方で、従来のファンが長らく続いたシリーズに変革を求めているのは明らかで、今後どのような作品へと仕上がるのか、いつも以上にファンの目は厳しくなるだろう。