Kickstarterの火つけ役『Broken Age』 「Act 2」配信が2015年初頭へ

開発スタジオDobule Fine Productionsは、開発中のタイトル『Broken Age』の「Act 2」製品版を2015年初頭にリリースすると発表した。公式フォーラムにて、プロデューサーのGreg Rice氏が明らかにしている。今年1月の「Act 1」配信前、「Act 2」は2014年後半リリース予定と説明されていたが、年内には「Act 2」のアルファ版が登場することになる。

Rice氏は、ここ1周間で「Act 2」のShay編およびVella編どちらもがアルファ版に到達したと報告した。『Broken Age』は、宇宙船に住む少年「Shay」と、怪物の生贄にされた少女「Vella」、2人のストーリーが交錯するアドベンチャーゲームだ。現在のバージョンでは、両キャラクターを切り替えて全編プレイすることが可能となっている。開発チームは、ベータ版を完成させるため、ボーカルレコーディングへ向け準備を進めているそうだ。

『Broken Age』の「Act 2」は、アルファ版が年内に登場し、製品版が2015年初頭にリリースされる見込みだ。Rice氏は、ゲームの出来が十分であり、開発チームが製作を順調に進めているとした。その上で、自身らが望んでいるクオリティでゲームを届けるため、時間が必要だとしている。ゲームボリュームは8時間から12時間、パズルは程よい難易度であり、現時点で大きく作りかえる必要のある部分はないという。プレイしたテスターたちが大いに笑い、ストーリーに満足してくれていると、「Act 2」の出来に自信を見せた。『Broken Age』の「Act 1」は1月28日に配信され、海外メディアやゲーマーたちから高い評価を獲得している。

『Broken Age』は、『Dobule Fine Adventure』の名で2012年3月にクラウドファンディングを成功させたプロジェクトだ。Kickstarterで約333万ドル(およそ3億3,300万円)を集め、ゲームカテゴリで後に続いたKickstarterブームの火つけ役となった。しかし2013年7月、スタジオのヘッドTim Schafer氏が、プロジェクトの巨大化により開発資金が足りなくなったことを明かし、のちに2分割のエピソード形式にて配信することとなった。

またDobule Fineは先月21日、未発表のプロジェクトを中止にし、12人のスタッフをレイオフしたと発表した。現在開発中の『Broken Age』や、同じくKickstarterにて成功し122万ドルを獲得した『Massive Chalice』など、ほかのプロジェクトに影響はないと説明している。3億円以上をユーザーから集め、Kickstarterの力を見せつけブームを築いたDobule Fine Productionsだけに、注目が集まるのは避けられないだろう。ゴージャスなアニメーションとボイスワークで飾りつけた「Part 1」を、「Part 2」でどのように締めくくるのか、来年の登場を待ちたい。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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