五十嵐孝司氏は、最新作『Bloodstained』のクラウドファンディングをKickstarterにて開始した。初期目標額は50万ドルに設定されているが、すでに100万ドル以上(およそ1億2000万円以上)が集まっており、1万人以上のユーザーが支援している。あらためて『悪魔城ドラキュラ』と五十嵐氏の海外における人気を見せつけられた格好だ。なお『Bloodstained』の開発資金はすでにある程度が確保されており、Kickstarterにて集まった資金は製作予算や物理ディスク版の制作に充てられる。
『Bloodstained』は、探索に重点を置いたサイドスクロール型アクションゲームだ。RPGやクラフティングの要素も盛り込まれており、五十嵐氏が『悪魔城ドラキュラ』で築いてきた"Igavania"が引き継がれている。開発を担当するのはインティ・クリエイツ、シリーズの楽曲を手がけてきた山根ミチル氏も参加し、ローカライズはActive Gaming Mediaが担当する。対応プラットフォームはPC/Mac/LinuxおよびPS4/Xbox One。
ゲームの舞台となるのは18世紀の終わり、急激な科学の進歩により魔術が非科学的なものとなりつつある時代だ。地位を失いつつあった錬金術ギルドの錬金術師は暴走し、孤児を集めて魔導人間を作り上げ、さらに彼らを生贄として地獄をこの世に召喚しようとした。実験は成功したものの、ギルドは1年後に壊滅を遂げた。その10年後、実験の跡地に"巨大な魔力とまがまがしい城"が現れる。プレイヤーは錬金術の秘術を受け10年のあいだ昏睡していた「ミリアム」となり、錬金術士「ヨハネス」と協力しつつ、城を呼び出した「シーベル」をを打ち倒さなければならない。
本作の特徴的なテーマとなっているのが、錬金術によって錬成されたバラの花のような鉱物「結晶」だ。錬金術士の秘術を受けた「ミリアム」や「シーベル」は、この「結晶」と融合しており、徐々に身体を浸食されている。またこの「結晶」には魔力を取り込む能力がある。敵を倒すとまれに色が輝くアイテムをドロップし、このアイテムを錬成することで攻撃魔法を得ることができる「魔力錬成結晶システム」が搭載されている。
五十嵐氏は「探索型の2Dアクションは、まだまだ進化すると思っています。それで新しいプランを全世界のパブリッシャーにプレゼンしたわけです、ところがそれではビジネスにならないと言われました。」と、Kickstarter向けトレイラーにてコメント。ワイングラスを床に投げつけながら、「納得いかない!このビジョンを実現するには、君たちの協力が必要なんだ!」と続けている。
なおすでに100万ドルが集まっており、アートブックがハードブック製にてリリースされるほか、2人目のプレイアブルキャラクターや難易度「ナイトメア」、チートコードの搭載が決定している。さらにはかつて『METAL GEAR SOLID』の英語版スネーク役を演じた声優David Hayter氏がシーベル役として登場する予定だ。Kickstarterでのクラウドファンディングは、太平洋標準時の2015年6月12日まで続けられる。