『Overwatch』ランクマッチの回線落ちによる罰則はフェア、不安定時の参加を自粛するよう公式が推奨
Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)のランクマッチにおいて、回線トラブルが原因で試合を途中放棄したユーザーに対してもペナルティーが課せられる仕様について、現状の対応方針が公平性において最善である理由を説明した。これまで悪意の有無に関わらず、ランクマッチの試合途中に一部のプレイヤーがゲームを抜けるケースは多数報告されており、該当ユーザーの処分を厳罰化するよう求める声が多数寄せられてきた。この状況についてBlizzardは、サーバー接続が不安定な状態で積極的にランクマッチに参加しないよう警鐘を鳴らしている。
ネット環境は試合放棄の免罪符にならない
『Overwatch』は、6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。BlizzardがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。未来の地球を舞台に、多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが登場するのが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。先日のアップデートでランクマッチ第2シーズンが開幕すると共に、試合途中でゲームを放棄したプレイヤーに課せられる罰則が重くなった。また、今シーズンからは初回に限り、10分間ゲームに参加できなくなるという警告処置が追加された。
先日、インターネット回線の不具合が原因で図らずしもランクマッチを途中退場してしまったユーザーから、同様のアクシデントが続けば永久追放もあり得るかどうか、厳罰の適応を危惧する声が公式フォーラムへ寄せられた。同様に、悪意のないゲーム切断にペナルティーを課す仕様は公平性に欠けるという一部ユーザーの不満は、以前から国内外で散見されている。一方で、それ以上にフォーラムを埋め尽くしているのは、悪意の有無に関わらず、ゲーム途中でチームメイトに抜けられて多大な迷惑を被った者たちによる憤怒の書き込みである。事実、今回のスレッドを立てたユーザーに対しても、そもそもインターネット回線が不安定だと分かっているなら、ランクマッチに参加すべきではないという厳しい意見が寄せられている。
この件について、『Overwatch』のゲームディレクターJeff Kaplan氏が直々に回答。悪意はないにも関わらず罰則が適用されたユーザーの不満を真摯に受け止めた上で、回線トラブルにより意図せず抜けてしまったプレイヤーと、事故を装い“萎え落ち”(チームメイトの実力に対する不満や、対戦相手が強すぎるといった理由から試合を途中で放棄する行為)するためにわざと接続を切断している確信犯を識別するのは、ほぼ不可能に近いと説明した。クイックマッチなら途中退室が深刻に問題視されることはほとんどないが、ランクマッチに関しては、現状さらなる厳罰化を求める声が多い。第2シーズンから初回ユーザーに対する10分間のダウンタイムが設けられたのも、厳罰に処される前段階としての警告が目的である。また、接続が不安定なユーザーが性懲りもなく戻ってきては、途中退場を繰り返すことを防ぐ意味も込められている。
「時として接続の不具合がユーザーの責任ではないことは分かっているし、本当に残念にも思っている。しかし、そういう状態だと分かっている時にチームプレイへ飛び込んで、インターネット回線が不安定なことを免罪符にするのはいただけない。回線トラブルを抱えている人は、接続が安定するまで乱闘モードかAI対戦で遊ぶことをおすすめするよ。改めて、望んでいた回答ではなかったかもしれないが、もう一方の立場にもなって現状を理解してくれることを願っている。もしかしたら、フォーラム内に乱立する大量の“萎え落ち”激おこスレッドの中に、君に抜けられたチームメイトの投稿がある可能性も十分に考えられるだろう」。なお、途中退場による永久追放はあり得るかという質問については、ほとんどの試合を途中放棄することなくプレイしていれば、何も心配する必要はないと回答している。