『Heroes of the Storm』ランクマッチに更なるパーティー人数制限か、アンフェアなチームバランスを問題視


Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)の歴代キャラクターが一堂に会する5対5のMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)タイトル『Heroes of the Storm』。先月適用されたパッチにより、ランクマッチの一つ「Hero League」でのパーティー構成人数が、従来の5人から最大4人までに制限されていたが、Blizzardはよりフェアなマッチングを実現するために更なる縮小を計画しているようだ。プレイヤーによるフィードバックと内部データの解析から、必ずしもフェアではないチームバランスが問題視されている。

ボッチが不利

海外メディアPC Gamerによると、「Hero League」で4人ないし3人のパーティーを組んでいるプレイヤーにたびたび大きな実力差があると、Blizzardの内部データが示唆しているとのこと。無論、同一パーティー内で上級者と初心者が一緒にプレイする行為そのものは同意の上ということで差し支えないが、アンフェアだと問題視されているのは4人パーティーに補充される残り1人の野良プレイヤーだ。特にパーティーを組んでいる4人が比較的初心者で、ソロプレイヤーがベテランというケース。実力に見合った試合がしたくとも、多数派の未熟さゆえに不本意な敗北を繰り返す状況には目も当てられない。

「パーティーメンバー同士では戦略を話し合っていても、5人目のチームメイトとは意思疎通を図らないままといったシチュエーションも生まれてしまいます。一方で、ソロプレイヤー側もパーティーの決定に同意するとは限りません。もしかしたらチームに協力することを拒むかもしれません。コミュニケーションが改善されなければ、両サイドに軋轢が生まれる結果になってしまいます」とBlizzardは説明している。

この状況に対処するため、Blizzardは「Hero League」におけるパーティー人数に更なる制限をかけることを計画しているようだ。しかし、4人から3人のパーティーは一層マッチングしにくい仕様にするのか、それともパーティーに参加できる同時人数を2人に引き下げるのか、具体的な解決案には言及されていない。「ランクマッチにおいて大規模パーティーが占める割合は極めて小さいことから、全体的なマッチクオリティーを改善するためにそれらを排除しても差し支えはないと感じています」とのこと。仕様の変更は次回のアップデートで施行されるとしている。

e-Sportsに限らず競技全般にいえることだが、チーム人数が少ないMOBAでは個が担う責任が非常に大きい。4人が上級プレイヤーでも、たった1人が足を引っ張るだけで中級の集まりに惨敗することなどざらにある。その反対も然りで、プロ級が1人いようが、残り4人が初心者なら状況は絶望的だ。ソロマッチングで「Hero League」に臨むことが多いプレイヤーの中には、Noobチームと組まされたがために惨敗した、もしくは百戦錬磨の猛者どもの足を引っ張って罵られたという経験をした人も少なくないだろう。

『StarCraft』や『Hearthstone』のような個人競技では個人の実力だけがモノを言うが、5対5の『Heroes of the Storm』においてはチームバランスが全てを左右する。マッチメイキングを可能な限りフェアに保つため、運営はこれまでさまざまな改善策を試みてきた。先月には、従来は可能だった「Hero League」における5人のフルパーティーが禁止され、「Team League」でのプレイを促すようランクマッチの仕様が変更された。パーティー人数はもちろん、各人の累計ゲーム数やMMR(Match Making Rating=プレイヤーの実力を表す指標)、チームのクラス構成など、考慮する要素は他にもある。理想的なマッチングの実現に向けて、残された課題は尽きないのかもしれない。