Blizzard、レーティング考慮し『Heroes of the Storm』のキャラクターモデルから「葉巻」をカット

Blizzard Entertainmentは、『Heroes of the Storm』のキャラクターモデルアップデートにともない、「Tychus J. Findlay」のキャラクターモデルから「葉巻」の表現をカットした。

Blizzard Entertainmentは、『Heroes of the Storm』のキャラクターモデルアップデートにともない、「Tychus J. Findlay」のキャラクターモデルから「葉巻」の表現をカットした。海外フォーラムRedditではスレッドが立ち、なぜ葉巻を削除したのか議論が巻き起こっていたが、Blizzardの開発者がスレッドに登場し、その理由を詳細に説明している。

『Heroes of the Storm』は、Blizzardが6月から正式サービスを開始するMOBAタイトルだ。『Diablo』や『Warcraft』など、同社の過去タイト ルからさまざまなキャラクターが参戦するのが特徴である。今回問題となったのは、RTSタイトル『StarCraft 2』に登場する宇宙海兵隊員「Tychus J. Findlay」。彼は任務に成功したり敵を倒すと「葉巻」を噛むキャラクターであり、葉巻は彼を象徴するアイテムの1つであったといえる。

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過去のキャラクターモデル(via 『Heroes of the Storm』フォーラム
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現在のキャラクターモデル

Blizzardの開発者は、『Heroes of the Storm』はさまざまな地域にて「10代向けのレーティング」で展開されるゲームであるため、喫煙表現を削除せざるを得なかったと説明する。 Blizzard側にあった選択肢は、「葉巻を吸うモデルと吸わないモデルを用意」するか、「葉巻を削除」するか。2種類のモデルを用意することは、死亡 シーンやモデルのアップデート、各種スキンを開発する際の労力が増加することを意味する。Blizzardはその労力を新たなコンテンツ展開へ向けた方が 得策だと考えたようだ。

このほか『Heroes of the Storm』では、ヒーロー「Abathur」のスキン「Skelethur」が一部地域では表示されないなどの措置が取られている。「Gazlowe」 のナンバープレートの名前が一部地域で修正、あるいは完全に変更されたり、「Grave Golem」や「Blackheart」などにも異なるバージョンが存在している。人骨や流血表現のあるコンテンツは代わりとなるバージョンを用意しなけ ればならないとのことで、世界展開へ向けてBlizzardもさまざまなローカライズを施しているという。

グロテスク表現やエロティック表現と共に、地域によって厳しく規制されている表現の1つが今回の「喫煙」だろう。例えば同じMOBAタイトルである 『League of Legends』では、2014年11月、チャンピオン「Graves」の紹介画面にて表示されるアートワークから、煙草の表現がカットされている。また 『Heroes of the Storm』においては、北米地域にて大学生を対象とした大会「Heroes of the Dorm」が展開されており、ティーン向けレーティングに留めクリーンなイメージを維持することは重要な課題といえる。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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