BlizzardがFacebookを使ったゲームストリーミング導入を発表、シェア機能でSNSの強みを生かす狙い


Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は6日、Facebookと提携して、同社のゲームに動画配信サービス「Facebook Live」のAPIを組み込む予定であると発表した。それに先駆けて、今月末からBlizzardのPCゲームに「Facebook Login」機能が対応する。これにより、先日サービスを開始した『Overwatch』をはじめ、『World of Warcraft』『Diablo III』『StarCraft II』『Hearthstone』『Heroes of the Storm』といった同社のゲームに、Facebookアカウントを使ってログインできるようになる。

 

Blizzardブランドにシェア機能の導入を計画

現在、Facebookの利用者は全世界で16.5億人に上るといわれており、毎月6500万人以上がブラウザやモバイル、コンソールを通してFacebookと連動したゲームをプレイしている。BlizzardがFacebookと連動することで得られる恩恵は計り知れない。特に、Facebookアカウントを使ってゲームにログインできるようになれば、これまでBattle.netに馴染みがなかったポテンシャルユーザーから大規模な流入が見込めるだろう。また、Blizzardは「Facebook Live」のAPIを利用して、自社製品に「Go Live」というストリーミング機能を搭載することを計画している。導入が実現すれば、プレイヤーはボタン一つでFacebookのタイムラインへ直接ライブ配信できるほか、コメントを通したフレンドとの意思疎通が可能になる。Facebookの最大の強みであるシェア機能を最大限に生かすことで、Blizzardブランドにソーシャルプラットフォームとしての新たな側面が追加されるというわけだ。

『Overwatch』は6対6のチーム対戦型FPS

Blizzardの事業運営を担当する執行役員副社長Gio Hunt氏は、プレスリリースの中で次のようにコメントしている。「Blizzardのゲームはフレンドとプレイしている時が最も楽しいでしょう。従って、プレイヤーの体験を楽しく簡単にシェアできるサービスや機能を提供することが重要になってきます。現在、Facebookと密に連携してOverwatchをはじめ、他のゲームへの対応にも着手しています。今後、開発の進捗に合わせて計画についてのさらなる詳細をお伝えするのが楽しみです」。

なお、今回の発表に先立って、これまでにもBlizzardはFacebookとの連動企画を数回にわたり打ち出してきた。先日、『Heroes of the Storm』の大学対抗トーナメント「Heroes of the Dorm」が開催された際は、大会の様子をFacebook経由でライブ配信。最近では、『Overwatch』の正式ローンチを直前に控える中、Facebookの公式ページにてゲームディレクターのQ&Aセッションが生放送された。こうした一連の流れについて、Facebookでゲーム業界とのパートナーシップを統括するLeo Olebe氏は、「Overwatchとのコラボは、FacebookがトリプルA級のゲーム企業と提携したという良い実例となるでしょう」とコメント。Blizzardが情熱を注ぐゲーム体験のさらなる普及に尽力できることに期待を寄せた。今後、独自のインターフェイスや広告を利用したマネタイズオプションで大幅にリードするAmazon傘下のTwitchに、どう対抗していくのかが注目される。