販売元がSteamからBANされた『バイオプロトタイプ』、続編は「2」じゃなく『バイオウィーバー』に改名して10月リリースへ。仕方ないので開発元がセルフ販売


デベロッパーのEmprom Gameは9月3日、アクションゲーム『バイオウィーバー』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、10月配信予定。ゲーム内は日本語表示に対応するようだ。

実は本作は、同スタジオが開発中だった『Bio Prototype 2』と同じ作品である。『Bio Prototype 2』(およびシリーズ前作)は、かつての販売元の不祥事によってSteamからストアページが削除されていた。

『バイオウィーバー』は、謎の地下研究所を舞台にした、ローグライク要素のあるアクションゲームだ。プレイヤーは未知の生物となり、不気味な敵モンスターと戦いながら地上を目指す。研究所内には5つのエリアが存在し、各エリアに複数用意されたアリーナステージにて、次々に湧き出る敵の群れの猛攻を一定時間しのいで、報酬を得ては次に進む部屋を選択するという流れ。その道中では、主人公の強化をおこなえる。

バトル報酬などを通じては身体の器官を入手でき、拠点にて主人公の脳と接続することで、新たな攻撃手段を追加可能。本作には数百種類の器官が収録され、種類によって攻撃力や発動パターン、攻撃特性などが異なる。また、血管でつないで複数の器官を連結させると、シナジー効果が発揮されることもある。なお前作『Bio Prototype(バイオプロトタイプ)』からは、器官の編集操作の改善などが施されているとのこと。

拠点はアップグレードが可能で、コストを支払い分子プリンターで器官を作成したり、器官の特性を変異させたり、遺伝子を組み合わせてパッシブスキルを習得させたりといったことができるようになる。そうして主人公をどんどん強化しながら、さらなるステージに挑戦するのだ。5つのエリアの最後には、それぞれ個性やスキルセットの異なるボスも待ち受けている。


先述したとおり、本作は開発元Emprom Gameが制作中の新作『Bio Prototype 2』と同じ内容であり、今回タイトルが『バイオウィーバー』に変更されたうえで、Steamストアページが公開されたかたち。もともと『Bio Prototype 2』のストアページは存在し、体験版も配信されていたが、今年6月にストアページが突如として削除されていた。

この背景には、販売元を務めていたBD Gamesの規約違反行為があったようだ。当時Emprom Gameの開発者は、BD GamesがSteamキーを無料配布するイベントをプライベートなプレイヤーグループ内で定期的に実施し、キー提供者に好評レビューを要求していたと指摘。こうした行為はSteamの開発者向け規約にて禁じられている。その結果BD GamesはSteamからBANされ、『Bio Prototype 2』や前作『Bio Prototype(バイオプロトタイプ)』を含む数多くの販売担当作品が、Steamから一斉に削除された(関連記事)。

Emprom Gameによると、この事態を受けてSteamを運営するValveと協議を重ねたものの、規約違反によって削除された作品については、そのストアページの復旧や、(BD GamesからEmprom Gameへの)管理権の移管は認められないとされたそうだ。そのためEmprom Gameは『Bio Prototype 2』をリリースするためには、タイトルを『バイオウィーバー』に変更し、自らを販売元として新たなストアページを開設するほかなかったのだった。影響を受けたほかの一部作品も、同様にタイトルを変更して再配信するなどの対応がとられている。


なお前作『Bio Prototype(バイオプロトタイプ)』のPC(Steam)版においては、売り上げが20万本に達した場合にSteamワークショップへの対応が計画されていたが、先述した状況により開発元は一切のアップデートを配信できなくなり見送りとなった。同作は、今年7月時点で売り上げ19万本を突破していたとのこと。ただしその代わりに、続編『バイオウィーバー』ではリリース時からSteamワークショップ対応がおこなわれるそうだ。

『バイオウィーバー』は、PC(Steam)向けに10月配信予定。また前作『Bio Prototype(バイオプロトタイプ)』は、Nintendo Switch/Android向けには引き続き配信中である。