Bethesda、盗難クレカで転売されたキーの『TES Online』アカウントを今日から失効処分へ


Bethesda Softworksは、『The Elder Scrolls Online: Tamriel Unlimited』にて、盗難クレジットカードなどで購入されたプロダクトキーについて公式フォーラムで言及した。同様のキーでアクティベートされたアカウントを5月26日から失効処分とすることを明らかにしている。不正キーで取得されたアカウントにはメールが送られており、その中に”合法的な方法”でゲームを購入しアカウントを復活させる方法が記されている。

盗難クレカ利用した手口が急増

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従来の月額サブスクリプションを脱し今年3月からサービスが再スタートした『The Elder Scrolls Online』

BethesdaのコミュニティマネージャーJason Leavey氏は、ゲーマーたちに信頼できる販売サイトからのみオンラインキーを購入してほしいと伝えた。Steamを通して不正にキーを取得し、第三者に転売することは、SteamおよびBethesda双方の利用規約に反する行為であると続けている。明言はしていないが、この第三者がプロダクトキーを売買する“鍵屋”を指していることは間違いないだろう。

今年1月の『Far Cry 4』や『Assassin’s Creed Unity』の事件と同様の手口だ。犯人たちはクレジットカードを盗むなどしてカード情報を不正に入手する。そのカード情報を使い、パブリッシャーから認可された小売店でゲームキーを購入し、それを鍵屋に売って現金化する。

非認可の第三者を通して売買された場合、プロダクトキーが不正に入手されたのかどうかを判断するのは非常に困難だ。鍵屋はユーザーにキーを販売するが、大抵の場合、しばらくしてからそのキーは不正に取得されたものだと判明することになる。購入したキーが失効されたり、ライブラリからゲームが削除されたりすることになり、返金されるかどうかなどは鍵屋やパブリッシャーの対応次第となる。

Leavey氏は、「我々のWebサイトで公表している価格から極度に値引きされている場合、それは恐らくデジタルキーが不正に取得されたことの証拠だ」と伝え、正式に認可した販売店のリストを公開している。

業界からの冷遇が続く“鍵屋”

鍵屋とは、PCゲームの製品コードやダウンロードキーのみを販売しているサイトだ。一部の鍵屋は、ほかの小売店からのまとめ買いやバンドルセールなどでキーを安く入手し、認可された小売店の公表価格よりも安価にユーザーたちに販売している。発売前の大作ゲームが2割引、3割引で販売されていることも珍しくない。

ユーザーにとっては安価にキーを販売してくれる存在であり、国内でも検索すれば鍵屋の利用方法を多数のサイトが紹介している。一方で、こういったキーの売買にパブリッシャーは関与しておらず、基本的に彼らは「非認可」なのだ。自身の販売サイトや認可されたショップの公表価格を無視し、悪く言えば勝手にゲームを安く販売している鍵屋は、パブリッシャー側にとって面白くない存在と言えるだろう。事実、鍵屋に対しては業界から冷遇が続いている。Devolve Digitalは、鍵屋の1つであるG2Aで販売されたプロダクトキーを無効化すると昨年発表した。また今月には『The Witcher 3』の開発陣が鍵屋での安売りに対し、ファンに購入しないで欲しいと求めている。

もちろんそういった価格破壊だけでなく、正規のパブリッシャーを通していないため、今年1月のUbisoftの事件や今回の件のような不正キーが流入する可能性もある。ゲーム業界側との摩擦が見え始めた鍵屋について、購入するユーザーたちもあらためて見つめなおさなければならない時期が来ているようだ。