パフォーマンス問題で揺れていたPC版『Batman: Arkham Knight』が販売停止、SteamやGMGで返金対応へ


発売直後から多数のパフォーマンス問題が報告されていたPC版『Batman: Arkham Knight』について、Rocksteady Gamesは一時的に販売を停止すると発表し、問題の収集がつくまで販売を控えることを明らかにした。

RocksteadyはSteamのアップデート情報にて、もし『Batman: Arkham Knight』が正常に動作しない場合には、Steam返金システムを通じてゲームを返金するよう推奨している。またGreen Man Gamingでも返金に対応する意向が明らかにされている。

パフォーマンス問題においては、特に「バットモービル」が登場するシークエンスなどで、フレームレートが一桁代に落ちる現象が多数報告されていた。GTX970やGTX980など、推奨動作環境を超えるスペックのマシンでも同様の問題が報告されている。Rocksteadyによれば、AMDではさらにパフォーマンスが低下するという。詳細は昨日の記事にてお伝えした通りだ。

参考記事: PC版『Batman: Arkham Knight』で動作不良の声が多数、Rocksteadyが現在調査を続ける

一部PS4版のフィーチャーも欠く

海外メディアEurogamerではさらなる検証が続けられ、上記のパフォーマンス問題に加え、PS4版に存在する一部のグラフィックのフィーチャーを欠いていることが報告されている。

「理解できないのは、PC版は最高設定でさえ、PS4版で見られたキーのビジュアルエフェクトを欠いていることだ。アンビエントオクルージョンはゲームからカットされ、被写界深度のボケは目に見えて低下しており、水滴に使用されている透明レイヤーはすべての物体の表面から取り除かれている。iniファイルでセッティングを明らかにONにしているにも関わらず、適所でSSAOが動作せずエリアが明るく見えすぎる。結果的にゴッサム・シティの素晴らしく凝った空気感は剥奪されている。同様に、PS4で見られたようなバットマンやバットモービルの表面をつたう雨は登場しない。法線マップや鏡面反射は発売されたコンソール版と同じぐらいのものだが、街中いたるところで反射や濡れた光沢が見失われてしまう。モーションブラーの速度セッティングを除けば、PC版の最高設定はソニーのコンソールとのあいだに大差は無いことを示している」

なおIron Galaxy Studiosの12名のスタッフがPC移植開発のサポートに回っていたことがクレジットから明らかにされおり、彼らに作業が丸投げされた結果こういった問題が起きたのではという推測も広まっているが、現時点でRocksteadyから明確な原因は明らかにされていない。ただ、海外では高評価を獲得し、シリーズ最終章の決定版と目されていた『Batman: Arkham Knight』が、PC版においては拭いがたい失敗が刻まれたのは確かだろう。