一人称視点ホラーアドベンチャーの金字塔『Amnesia: The Dark Descent』がPS4向けに欧米で発売

rictional Gamesは、1人称視点のホラーアドベンチャー『Amnesia』シリーズ3作品をバンドルした『Amnesia: Collection』を欧米でPS4向けに発表した。発売日は11月22日。同梱されるのは『Amnesia: The Dark Descent』のほか、同作のDLC『Amnesia: Justine』と続編の『Amnesia: A Machine for Pigs』。

Frictional Gamesは、1人称視点のホラーアドベンチャー『Amnesia』シリーズ3作品をバンドルした『Amnesia: Collection』を欧米でPS4向けに発表した。発売日は11月22日。同梱されるのは『Amnesia: The Dark Descent』のほか、同作のDLC『Amnesia: Justine』と続編の『Amnesia: A Machine for Pigs』。いままで同シリーズはPC/Mac/Linuxのみで展開されており、コンソール機向けの発表は今回が初となる。

『Amnesia: The Dark Descent』は2010年9月にリリースされた。プレイヤーは記憶喪失の主人公ダニエルとなり古城の中を探索し、徘徊する怪物から逃れながら謎を解いていく。プレイヤーには攻撃手段が与えられず、ランタンとロウソクの火を頼りに暗闇の中を進むことになる。明るい場所に出ると敵に見つかってしまうため暗闇の中で隠れることになるが、暗闇の中にいると主人公のSAN値(正気度)が減り発狂していく。SAN値を削りながら隠れ続けるか、敵に襲われるリスクを追って逃げるかの選択が迫られる。安易な驚かし方に頼らず、プレイヤーの心理を揺さぶる恐怖を打ち出したホラーゲームの名作として、その後の一人称視点ホラーアドベンチャーに多大な影響を与えてきた。

続編の『Amnesia: A Machine for Pigs』では開発をThe Chinese Roomに変え、2013年に発売された。The Chinese Roomは『Dear Esther』『Everybody’s Gone to the Rapture』といったストーリー重視の一人称視点アドベンチャーを得意としており、『Amnesia: A Machine for Pigs』ではSAN値やランタンシステムを排除し、恐怖体験ではなく物語主体のゲームに転換した。

Frictional GamesのクリエイティブディレクターThomas Grip氏はPlayStation.Blogにて『Amnesia: The Dark Descent』の開発に至った経緯を語っている。2009年当時『Lux Tenebras』という別プロジェクトが進行中だったが、開発が上手くいかず資金が尽きる直前だった。丁度そのとき、セール期間に突入した同スタジオの『Penumbra』シリーズが売上を伸ばし、かろうじて開発を続ける余裕ができたという。そこから、同じ一人称ホラーである『Penumbra』の反響を受けとめ、怖さをパワーアップさせた作品を目指した結果が『Amnesia: The Dark Descent』である。

Frictional Gamesが2015年にリリースしたSFホラーアドベンチャー『SOMA』はすでに海外PS4向けに発売されており、『Amnesia』シリーズの移植も以前から検討が進んでいた。このたび晴れて移植化が決定し、Grip氏は「この作品がリリースされることで、多くの心地よい悪夢と眠れない夜が訪れますように!」という言葉とともにブログ文を締め括っている。11月という肌寒いシーズンにぴったりのコレクションとなりそうだ。なお『Amnesia』シリーズはPC版でも日本語対応されていないが、有志による日本語Modは存在する。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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