AMDより新グラボ「RX 9070 XT」「RX 9070」がまもなく発売。性能の詳細お披露目、新シリーズの初モデルは「ミドル」級相当に

AMDは間もなく「Radeon RX 9070 XT」「Radeon RX 9070」を発売する予定だ。あわせて発表された詳細性能では、競合であるNVIDIAの最新モデル相当ではなく、「GeForce RTX 4000」シリーズ相当であることも明らかになっている。

AMDは2月28日、「Radeon RX 9070 XT」「Radeon RX 9070」を3月6日に発売予定とTwitter上で発表した。「Radeon RX 9000」シリーズのグラフィックボードとしては最初にリリースされるグラフィックボードとなる。

「Radeon RX 9000」シリーズは、2022年から展開されてきた「Radeon RX 7000」シリーズの後継に当たるモデル。以前の発表ではAI性能の向上やレイトレーシングコアの性能・コア数の向上、VRAMは16GBとなることが示されていたが、詳細な性能については伏せられていた(関連記事)。今回の発表で詳細スペックや価格などが明らかになったかたちだ。

希望小売価格はそれぞれ、「Radeon RX 9070 XT」が599ドル(ドル円換算で約9万円)、「Radeon RX 9070」が549ドル(ドル円換算で約8万2000円)となる。価格帯としては、本日23時から販売解禁となるNVIDIA の「GeForce RTX 5070」(希望小売価格549ドル、日本価格108,800円)あたりが比較対象となるだろう。

AMDによる投稿では、「Radeon RX 9070 XT」について4K設定のゲームで比較すると、「RX 6900 XT」に対しては51%増、「RTX 3090」には26%増となるパフォーマンス向上を示したと説明されている。最新世代として前世代に対するパフォーマンスの優位性をアピールしているかたちだ。

ただ公開された詳細なスペックでは、プロセスルールこそ4nmと現世代レベルとなっているものの、VRAMの規格はGDDR6、インターフェース規格はPCIe4.0となっている。これはNVIDIAの最新モデルである「GeForce RTX 5000」シリーズではなく、どちらかというと「GeForce RTX 4000」シリーズと同等のスペック。そのため現世代においては性能的にハイエンドと断言できるかは難しく、あくまでミドル帯を志向しているのかもしれない。

一般的にグラフィックボードのリリースは、おおむねフラグシップにあたるハイエンド帯からスタートし、その後ミドル~ローエンド帯も展開する、といった流れが多い。たとえば、同じAMDの「Radeon RX 7000」シリーズでは、「Radeon RX 7900 XTX」と「Radeon RX 7900 XT」を発売した後、数ヶ月後「Radeon RX 7800 XT」、「Radeon RX 7700 XT」、「Radeon RX 7600」を発売しており、今回の「ミドル帯スタート」は異例の展開といえそうだ。

ちなみに近年では、グラフィックボードが品薄となる事態も少なくない。筆者が確認した限りでは、先日発売が開始されたNVIDIAの「GeForce RTX 5070 Ti」については、ツクモWebショップでは抽選販売が過去に実施され、現在購入不可。ドスパラでは5070Ti搭載パソコンが在庫なしと、各種店舗でかなり購入しづらい状態だ。購入のしやすさによっては、「Radeon RX 9000」シリーズが「GeForce RTX 5000」シリーズの代わりとして、ユーザーの選択肢に入ることも大いに有り得そうだ。なお日本での発売についてはまだ発表されていないものの、国内向けの展開も期待される。

Arata Watanabe
Arata Watanabe

レトロ系、ドット絵などのビジュアルが好きです。ゲームは主にプログラミングゲーム、放置ゲーム等を遊びます。

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