「P.T.」の精神的続編『Allison Road』のKickstarterキャンペーンがキャンセル、Team 17がパブリッシャーに

英国のスタジオLilithは、一人称視点ホラーゲーム『Allison Road』のKickstarterキャンペーンをキャンセルした。

英国のスタジオLilithは、一人称視点ホラーゲーム『Allison Road』のKickstarterキャンペーンをキャンセルした。ターンベースストラテジー『Worms』の開発として知られるTeam 17がパブリッシャーとして名乗りでたためで、今後はTeam 17が開発資金などを提供し制作をサポートすることになる。

参考記事: 『P.T.』の精神的続編を目指すホラーゲーム『Allison Road』が本格始動、PS4/Xbox Oneでの発売も検討中

『Allison Road』は、『Silent Hills』のティーザーゲーム『P.T.』の精神的な要素を受け継ぎ開発が続けられている一人称視点ホラーゲームだ。ゲームの舞台となるのは、英国の都市マンチェスターの郊外にある一軒家。直前までの記憶を失って真夜中に目覚めたプレイヤーは、ループする夜を繰り返し体験しながら、自身の家族になにが起きたのかを調べなければならない。毎晩「午前3時」をむかえると家の照明はすべて消え、血まみれの女性が主人公を襲おうと歩き始める。

『Allison Road』のKickstarterキャンペーンは、25万ポンド(約4650万円)の獲得を目指し9月22日からスタート。キャンセルされるまでに4482人から14万5959ポンドの支援が寄せられていた。残り10日間ほどで約10万ポンドを集められるかどうかという微妙なラインだっただけに、今回のTeam 17とのパブリッシング契約はLilithにとってまたとない機会だっただろう。なおKickstarterキャンペーンがキャンセルされたため、寄せられた14万5959ポンドがLilithへと振り込まれることはない。

Team 17は1990年に設立された20年以上の歴史を持つ老舗スタジオだ。『Worms』シリーズの開発として知られるが、近年は特にインディーゲームのパブリッシングを進めており、2014年には『The Escapists』、2015年には『Beyond Eyes』を販売。またKickstarterで7万人以上から約200万ポンドを集めた『Yooka-Laylee』でも、パブリッシングを担当している。

LilithはKickstarterの更新情報にて、「Team 17と共に働けば、創造性を妨げられることなくゲームを作ることができる。同時にリソースを提供しサポートもしてくれるし、彼らには25年間続けてきたスタジオの経験がある」とコメントしている。Kickstarterにて公開されたリワード用アイテムについては、別の提供する方法を模索していくという。

なおKickstarterキャンペーンでは、25万ポンドが集まればPC版、30万ポンドが集まればMac/Linux版がリリースされる予定だった。PlayStation 4とXbox Oneでの発売も示唆されていたが、現在どのプラットフォームでのリリースを予定しているのかは明らかにされていない。発売時期は2016年末とされていた。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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