高評価回路設計シム『ABI-DOS』“発売後2か月足らず”なのにSteamにて完全無料化。少なめ売上に期待するより、いっぱいの人に遊んでほしい
デベロッパーのABI.DOS.SOFTWAREは1月4日、有料配信されていたOS回路設計自動化シミュ『ABI-DOS』を無料化した。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『ABI-DOS』は2024年11月15日にリリースされた論理パズルゲームだ。プレイヤーは、板面上でブロックとワイヤーをつなぎ合わせて回路を構築・自動化し、「この世でもっとも高度なOS」を設計していく。各ステージごとにクリアすべき条件があり、徐々に種類が追加されていく挙動の異なるブロック同士を繋いで攻略していく。本作は同種の論理パズルを手がける別デベロッパー、Zachtronicsのゲームにインスパイアされており、プログラミング経験がなくても、まるで積み木やブロックパズルを組み立てる感覚で論理的なシミュレーション回路を作成できるよう設計されているとのこと。
本作では対応言語が英語とスペイン語のみとなっており、本稿執筆時点では日本語表示は公式サポートされていない。しかし、日本語の好評Steamレビューも寄せられており、筆者の所感としても操作が直感的で言語がわからずとも遊びやすい方に思えた。最初は、スタート/ゴールとたった1種類のブロックという最低限の要素を繋ぐステージから始まる。実際に繋いで動作確認を行うという試行錯誤を繰り返すだけでも、なんとなく組み方や求められていることがわかってくるデザインとなっている。ステージを追うごとに課題は難しくなる傍ら、複雑な自動化回路も組めるブロックも登場する。たとえば工場ラインを組み立てて自動化して、資源管理するようなゲームが好きなプレイヤーにも馴染みやすいシステムとなっている。
本作は定価税込1200円(米国向けには9.99USドル)にて11月15日に配信開始となった。その後すぐ値下げされ、Steamウィンターセールでは発売直後にも関わらず90%オフの破格で販売(SteamDB)。そうした状況のなか12月25日には、年明けに無料化を予定している旨が告知された。開発元はこのアナウンスの中で、無料化決定の理由を以下のように述べている。
まず開発元は、本作のクオリティは高く、評価も上々でありそれらが無料化の理由ではないと強調。しかし、配信後約1か月半の段階における売上高は、かなり「ささやかな」ものだったとしている。セール期間を含めても依然売上が低かったとのこと。その上で、本作が2025年も継続して売り上げる可能性を加味しても、無料化してより多くのプレイヤーに届けることの方が本作のようなニッチなゲームにとって価値があるという判断に至ったと説明している。1月4日にはSteamでの審査が完了し、実際に無料化された格好だ。
本作は、本稿執筆時点で94件のSteamユーザーレビュー中97%がおすすめとする「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューに書かれた意見として、「プログラミングの経験がなくても楽しめた」、「価格以上の価値を感じた」という声が複数見られた。パズルやシミュレーションとしての難易度にほどよい手応えを感じているプレイヤーが多いようだ。開発元は、前述のアナウンスのなかで購入者と本作を気に入ってくれたプレイヤーに謝辞を述べている。
『ABI-DOS』はPC(Steam)にて無料で配信中。