『8番出口』『8番のりば』開発者、“満足した”として「8番シリーズ」の終了を宣言。次回作は巨大生物から逃げるホラーアドベンチャーゲームに

インディー開発者のコタケクリエイト氏は6月2日、『8番出口』『8番のりば』と手がけてきた「8番シリーズ」について、この2作にて終了する予定であることを明らかにした。

インディー開発者のコタケクリエイト氏は6月2日、『8番出口』『8番のりば』と手がけてきた「8番シリーズ」について、この2作にて終了する予定であることを明らかにした。

『8番出口』は2023年11月に、そして『8番のりば』は先日5月31日にPC(Steam)向けに発売。コタケクリエイト氏は、これらの作品の前にホラーアドベンチャーゲーム『STRANGE SHADOW』を発表しており、次は同作のリリースを目指すという。


『8番出口』は、無限にループする地下通路からの脱出を目指す短編ウォーキングシミュレーターだ。プレイヤーは、同じ光景が繰り返される通路を歩くなかで、異変を見つけたら引き返し、異変が見つからなかったらそのまま進む。そうすることでやがて8番出口にたどり着き脱出できるが、異変を見逃して進むと出口までの進捗がリセットされてしまう。

『8番のりば』は、『8番出口』の続編として開発された短編ウォーキングシミュレーター。プレイヤーは、今度は永遠に走り続ける電車に閉じ込められ、車内で発生する異変に注意しながら、電車から脱出する方法を見つけることとなる。遭遇する異変に適切に対処することで目的の停車駅に近づいていくが、判断を誤るとやはりいちからやり直しとなる。

『8番出口』のゲームプレイは実況配信やSNS上などで大きな話題となり、作品自体も非常に高い評価を獲得。今年4月にはNintendo Switch版も発売され、その時点でPC版の売り上げは50万本を突破したという。また、本作から影響を受けたらしきフォロワー作品が、国内外のデベロッパーから数多く登場することとなり、ひとつのブームを生み出すこととなった。

そしてファンからの期待が集まるなかリリースされた続編『8番のりば』も、Steamユーザーレビューにて本稿執筆時点で「非常に好評」ステータスを獲得するなど高評価を得ている。ちなみに、『8番出口』のゲーム内には架空の広告ポスターが掲載されたが、『8番のりば』では個人・法人からリアル広告を募集して実装。募集には250件もの応募があったそうで、注目度の高さがうかがえた。

このように好評を得た「8番シリーズ」であるが、開発者のコタケクリエイト氏によると、これにて終了の予定だという。地下鉄が好きで両作品を手がけ、満足したためとのこと。そして次回作には『STRANGE SHADOW』を予定し、さらにその先にはアクションゲームを作る可能性があるそうだ。


『STRANGE SHADOW』は、不気味な巨大生物から逃げたり隠れたりするホラーアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは、宇宙旅行の途中である惑星に墜落してしまった主人公となり、さまざまなアクションを駆使して周囲に潜む巨大生物から逃れながら、惑星から脱出する方法を探すこととなる。

同作は、2022年頃から開発中であることが公表されていた作品で、開発者コタケクリエイト氏は2023年にこの作品をもってインキュベーションプログラム「iGi indie Game incubator」の第3期生に選出。東京ゲームショウ2023に出展されることとなり、そこで開発作業が一区切りついたとして、息抜き的に手がけたのが『8番出口』だったそうだ(ゲームメーカーズ)。つまり、『8番出口』の開発は、『I’m on Observation Duty』や『Twelve Minutes』などから影響を受けつつ進められ、アイデアを練る停滞期間には『STRANGE SHADOW』の開発に注力するという状況だったという。今回「8番シリーズ」の終了が宣言されたことで、今後は『STRANGE SHADOW』の開発に専念することになるのだろう。

『8番出口』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに配信中。続編『8番のりば』はPC(Steam)向けに配信中だ。そして新作『STRANGE SHADOW』は、PC(Steam)向けに2025年リリース予定とされている。興味のある方はウィッシュリストに登録しておこう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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