クレヨン絵推理ミステリーゲーム『Little Scribbles』配信開始。子どもたちが遺したという絵から不審な連続死の真相に迫る
個人開発者のJane Sherrell氏は5月29日、クレヨン絵推理ミステリーゲーム『Little Scribbles』をPC(itch.io)向けに公開した。ユーザーが任意の金額を支払いダウンロード可能なName your own price方式でのリリースとなっている。
『Little Scribbles』はミステリービジュアルノベルゲームだ。プレイヤーは美術家庭教師のMiss Claraとなり、不審な死を遂げた3人の幼い教え子が遺したとされる絵を手がかりに謎の真相に迫る。Miss Claraは刑事Potterによる事情聴取を受けている最中で、彼女がどのような経緯で家庭教師の仕事に就いたのかを説明する場面から物語は始まる。
Miss Claraが教えていたNelson家の3人のきょうだいは、いずれも異なる死因から亡くなっており、うち二人は失踪ののちに死亡したとされている。もうひとりは食中毒による死を迎えていて、犯人はまだ見つかっていない。そこでプレイヤーは事件の捜査に協力するかたちで、子どもたちの遺品を収集した際に発見された3つの絵について、Miss Claraによって語られる背景を追いながら一連の死の隠された真実に近づいていくこととなる。
それぞれの絵はクレヨンで画用紙に描かれたものと見られ、「The most beautiful flower(一番美しい花)」「Sleep alone(ひとりで眠る)」「Eat mom’s favorite recipe(ママのお気に入りレシピを食べる)」とタイトルが命名されている。どの絵も数枚にわたり作者とされる子どもにまつわるストーリーが展開し、クリック操作を通じて場面が進行していく。時には特定のアクションを伴うギミックが登場することもあり、土を掘って花を埋めたり魚を切り開いて調理したりするシーンも現れる。
その過程ではNelson家はかつて不幸な交通事故に見舞われ、一家の母親がすでに亡くなっている事実や、長女のHannahが絵の中に母の墓を描いていたことが判明。また次男のHenryが事故で両脚を失い、病院で寝たきりで過ごしてビデオゲームに没頭していたこと、三男のCharlieが食事係として一家の料理づくりを担っていたことなども伝えられる。絵の配色は明るいものが多いが、Nelson家の生活にはどこか暗い影が差してもいるようだ。ゲーム自体は分岐もなくほぼ一本道で進むものの、そうした家庭の状況に思いを馳せつつ、1枚1枚の絵に注目してプレイしてみると本作をより深く味わえるだろう。
『Little Scribbles』は、PC(itch.io)向けにName your own price方式で公開中。なお本作の想定プレイ時間は10分ほどと、比較的短い時間で楽しめる旨がストアページにて伝えられている。