インディー開発者のMike Klubnika氏は5月31日、ロシアンルーレットゲーム『Buckshot Roulette』についてファンから寄せられた質問に回答。本作の今後の開発方針や、ゲーム内の世界観などについて答えている。
本作は、ショットガンを使ったロシアンルーレットにて、ディーラーと1対1で命を賭けた勝負をする作品だ。現在PC(Steam/itch.io)向けに配信中。ゲーム内は日本語表示に対応している。
『Buckshot Roulette』では、ショットガンに実弾と空の弾薬がさまざまな数のバランスでランダムに装填され、プレイヤーとディーラーが交互に引き金を引くかたちでゲームが進行。次は実弾だと思うなら相手に向けて、空の弾薬だと思えば自らに向けて引き金を引くのだ。勝負は3ラウンド制でおこなわれ、プレイヤーとディーラーにはそれぞれ体力が存在し、被弾を重ねどちらかの体力が尽きればラウンド終了。そして強制的に輸血され次のラウンドへ進む。
2ラウンド目以降には、アイテムがプレイヤーとディーラー双方にランダムに提供され、自らのターンの際に使用可能。体力を回復するタバコや、ショットガンの砲身を切って威力を2倍にするノコギリ、次の弾薬が実弾かどうかを確認できる虫眼鏡、相手のターンを強制スキップさせる手錠などのアイテムがある。ディーラーの手持ちアイテムも参考にしながら、戦略的にアイテムを駆使して相手を出し抜くことが求められる。
本作は、昨年12月にitch.io向けにリリースされ、今年4月にSteam版も配信開始。本稿執筆時点で、Steamのユーザーレビューには約2万件が投じられ、その内の95%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。また、Steam版のリリースから2週間足らずで、売り上げは100万本を突破しており好評である。
今回開発者のMike Klubnika氏は、ファンから寄せられた質問に回答。そのなかで、以前より伝えられていた本作のコンソール版のリリースを2024年内に予定していることが明かされた。一方で、モバイル版やVR版のリリースは現時点では計画していないそうだ。
現在はマルチプレイモードの開発に最優先で取り組んでいることも明かされた。同モードでは対人戦における戦略性を高めるための専用アイテムの追加や、ハイリスク・ハイリターンの賭け要素など独自のシステムの導入も検討されている。一方のシングルプレイモードに関しても、まだコンテンツなどの追加をおこなう可能性があるという。こちらについては、1日に1回だけプレイできるデイリーチャレンジの導入を検討しているとのこと。毎日すべてのプレイヤーが、同じ条件下でのロシアンルーレットゲームに挑戦できるというものだ。
また、質問者からゲームルールの調整機能の追加について問われ、Klubnika氏は良いアイデアだと返している。たとえば、アイテム使用不可や常時ダメージ2倍、装填される実弾の割合調整などをおこなえる機能のことだ。同氏は、そうした機能は特にマルチプレイモードに向いているのではないかとしつつ、もし導入するのであればシングルプレイモードにも用意することになるだろうとした。
寄せられた質問には、謎めいた存在であるディーラーについて深く知りたいというものも多かった様子。Klubnika氏の回答によると、ディーラーは暗闇から不気味な顔と両手のみが浮かび上がっているような姿をしているが、実際に胴体はなく見たままのとおり浮かんでいるという。歯の数は計38本。歯医者に行くと禁煙するように言われるそうだ。また好きなビールのブランドは(アイテムとしても登場する)Digitaで、ノンアルコールビールは飲まないとのこと。なお、作中ではディーラーと神の関係について示唆される場面もあり、今後ディーラーの背景となる物語などを伝えるアップデートが予定されているそうだ。
このほか、本作の開発において影響を受けた作品について問われ、Klubnika氏は全体的なメカニクスや見せ方に関する部分として、以前より公言している『Inscryption』を挙げている。たとえば、卓上の特定の場所を映すカメラの動きは同作からの影響とのこと。また、さまざまな機械が配置され多数のケーブルが這う世界観は1998年公開の映画「π(Pi)」から、BGMの一部はAphex TwinやBoards of Canadaの楽曲、あるいは『Hotline Miami』のサウンドトラックから影響を受けて制作されたそうだ。同氏は、ほかにもさまざまな質問に回答しているため、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。
『Buckshot Roulette』は、PC(Steam/itch.io)向けに配信中だ。また、年内には現行コンソール向けにもリリースされる。