貧乏ゲームライター生活サスペンス『Apartment Story』正式発表。銃とロマンスをめぐる“修羅場”、でも光熱費を稼ぐのに必死でそれどころじゃない

Sean Wenham氏は5月24日、『Apartment Story』を正式発表した。ライフマネジメント要素を兼ね備えたアドベンチャーゲームだ。

ゲームクリエイターのSean Wenham氏は5月24日、開発中のサスペンスアドベンチャーゲーム『Apartment Story』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2026年9月24日にリリース予定。

『Apartment Story』は、とある家を舞台に3人の人物と一丁の銃をめぐる5日間の物語を描く、ライフマネジメント要素を兼ね備えたアドベンチャーゲームだ。2019年の時点でコンセプトアートが披露され、開発の進捗が折に触れSNS上で投稿されていた作品だが、このたびリリース日と対応プラットフォームの予定が改めて明かされたかたちとなる。同発表とあわせて、本作のSteamストアページの公開とSpotifyにおけるサウンドトラックの配信が近日中におこなわれる旨も伝えられている。


本作では、ビデオゲームジャーナリストのArthurを主人公に、彼が暮らすロンドンの共同住宅で起こる謎とスリルに満ちた物語が描かれる。リビングの一角でノートPCと向き合い執筆するArthurの生活は、光熱費の支払いにも苦労するままならない懐事情だという。そんなArthurの元にある日、かつてこの家に住んでいたと話す20代後半の気品あふれる女性Dianeが訪れる。彼女の目的は家に隠していた一丁の銃を探すことで、何か逼迫した状況を抱えている様子。二人は酒やマリファナを嗜み時に踊りながら夜を過ごすも、次の朝目を覚ますとDianeの姿はない。Arthurがリビングへ足を踏み入れると部屋中が荒らされており、彼を鋭く見つめる男Blondeyがいた。その男は「妻のDianeに二度と近づくな」とArthurに警告をし、物語が動き出していく。


以上が作中のおもなあらすじとなり、登場した3名の人物の関係性を中心にドラマが進行していくようだ。プレイヤーにどのような行動を取るか、選択を委ねる場面も設けられているという。トレイラーでは銃を構えて歩くArthurの姿も映っていたことから、シーンによっては強い緊張感を覚える展開になるのかもしれない。

また本作には『ザ・シムズ』シリーズに影響を受けたというライフマネジメント要素も存在し、Arthurの空腹度や睡眠・排泄ニーズ、精神や衛生面の状態といった各パラメーターを管理していく必要もあるとのこと。それらのバランスを上手く取りながらArthurを執筆仕事へと向かわせ、家の電気が止められないよう賃金を稼ぐのだ。浮世離れした修羅場はありつつも、生活にも目を向けなければならない。

 


作中のグラフィックはややレトロなローポリスタイルで表現。部屋のインテリアからは細部に生活の具体的な様子がうかがえ、ストーリー設定や貧乏なゲームジャーナリストというキャラクター像も含めてリアリティを感じさせる部分が多い。こうした独自の印象深い味わいもあってか、開発中の作品でありながらInputRock, Paper, Shotgunといった海外メディアでも過去には取り上げられている。

 


本作の開発は4名のメンバーで構成される小規模ゲームスタジオBlue Rider Interactiveが手がけており、同スタジオ名義では初のリリース作品となる。作品公式Xアカウントや本作のライティングおよびディレクションを担当するSean Wenham氏のXアカウントにて定期的な情報発信がおこなわれているので、興味をもたれた方はのぞいてみるとよいだろう。

なおWenham氏は個人名義の作品として、孤独な男性の人生アドベンチャーゲーム『The End of the World』をiOS向けにリリースしている。同氏は『Monument Valley』シリーズや『Alba: A Wildlife Adventure』、『Desta: The Memories Between』といった高評価タイトルで知られるustwo gamesにて、昨年からリードアーティストとして勤めているとのこと。同スタジオが今後発表するゲームとあわせて、Wenham氏の仕事ぶりにも注目していきたいところだ。

『Apartment Story』は、PC(Steam)へ向け、2026年9月24日にリリース予定だ。

Yuta Tanaka
Yuta Tanaka

本や映画や演劇と同じように、ゲームは世界と自分をつなぐもの。誰もが気楽に出入りできるゲームの浅瀬を広げていくことに、少しでも関われたらうれしいです。

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