スクウェア・エニックスは5月23日、MMORPG『ドラゴンクエストX オンライン』の新コンテンツ「異界アスタルジア」を配信開始した。異界アスタルジアには、過去に登場したキャラクターたちが主人公の仲間として再登場する。SNSでは、仲間のひとりであるイルーシャの「ちから」の高さに注目が集まっている。
『ドラゴンクエストX オンライン』は、『ドラゴンクエスト』シリーズ初のMMORPGだ。プレイヤーは、自身の分身となるキャラクターを作り、戦いと冒険の旅に出ることになる。『ドラゴンクエスト』シリーズお馴染みのコマンドバトルとリアルタイムバトルの両方を採用したシステムを採用。1人でゲームを楽しみたいプレイヤーに向けたサポート仲間システムを用意するなど、『ドラゴンクエスト』であることとMMORPGであることを両立させた作りとなっている。ほかにも生産システムやハウジングなど、今までの『ドラゴンクエスト』シリーズにはなかったシステムを採用している。
本作は、2012年にサービスを開始し、今年で12年目を迎える。3月21日にはバージョン7となる新拡張パッケージ『ドラゴンクエストX 未来への扉とまどろみの少女 オンライン』が発売され、新たなストーリーをはじめ、異界アスタルジアなどの新コンテンツが追加され続けている。
異界アスタルジアは、本作のバージョン7.0にて配信されたソロプレイ向けコンテンツだ。主人公は、これまでの冒険の中で出会った仲間と共に、アステルジアと名付けられた異界の謎を解くために深部を目指しながら、仲間たちとの親睦を深めていくことになる。登場する仲間はバージョン1から登場して高い人気を誇るヒューザをはじめ、バージョン3のヒロイン格のエステラなど、本稿執筆時点で全7人。ただし、随伴する仲間は、「アスタルジアの欠片」というアイテムの力で顕現させた存在であり、ゲーム中の説明によると、厳密には本人とは違う存在であるそうだ。
顕現させることができる仲間のひとりのイルーシャは、バージョン5『ドラゴンクエストX いばらの巫女と滅びの神 オンライン』にてヒロイン格として登場したキャラクターだ。線の細い少女らしい外見ながら、主人公との出会いから冒険を共にし、そして魔物との戦いにも参戦することになる。ゲーム内の職業は「巫女」となっており、回復能力に長けているのが特徴だ。
そんな彼女をアスタルジアにて顕現させると、ヒーラーとしての能力の高さは本人と違わないものの、なぜか「ちから」のステータスも異常なほど高くなっている。顕現させたばかりのレベル100の時点でも、ちからが712と異色の数値である。さらにレベルキャップであるレベル130になると、ただでさえ高かったイルーシャのちからがすくすくと成長し、921にまで上昇する。
イルーシャのちからの数値を、主人公のものと比較してみると、その異常さがわかるだろう。たとえば筆者のゲームデータでは、『ドラゴンクエスト』シリーズでお馴染みの前衛職である戦士のレベル130の時点で438と、相当な差でイルーシャに軍配が上がる。なお、本作における主人公のステータスは、レベルアップ以外にもゲーム内のさまざまなコンテンツで上昇させることができ、戦士のちから438という数字は本稿執筆時点での最大値ではない。とはいえ、ちからのパラメータが一番高いとされる職業のバトルマスターでちからを最大に高めようとも、イルーシャのレベル100の数値にも及ばないだろう。
イルーシャのちからがなぜ高く設定されているのか。それは彼女が物理攻撃スキルをもっていることが理由だと思われる。異界アスタルジアでは、仲間となったキャラクターたちも敵と戦うことでレベルアップしてステータスがアップするほか、スキルポイントを得て、3種類のスキルラインに自由に割り振ることができる。イルーシャには回復系と補助系のスキルラインに加えて、弓を使った攻撃のスキルラインが存在。弓攻撃のダメージはちからをベースに計算されるようになっているため、ちからが低いと有効活用することは難しい。弓のスキルラインの実用性も考慮されて、イルーシャのちからが高い数値に設定されているものと推測される。
そのため、イルーシャを回復役ではなく、攻撃役として考えたパーティー構成も不可能ではない。別のキャラクターを回復役として加え、弓スキルを取得したイルーシャを「ガンガンいこうぜ」の作戦にすることで、「さみだれうち」と「シャイニングボウ」といった弓を使った攻撃を連発してくれるようになる。レベル100の素の状態でもそれなりのダメージを与えるが、イルーシャへのバフと敵へのデバフ、そしてレベルアップで、さらなるダメージを与えることができるだろう。
ちなみに、今回のイルーシャのように仲間として登場するNPCキャラクターは、装備などが限られるせいか、軒並みステータスが高めに設定されている。そもそも、バージョン5.3の時点でイルーシャのちからは高めに設定されていたようなので、アスタルジアでのイルーシャのちからの高さも、順当といえば順当である。とはいえヒーラーとしてのイメージもあり、圧倒的な“怪力”を誇るイルーシャのステータスは注目を浴びているかたちだ。
ちなみに過去には本作に登場する勇者姫アンルシアも、主人公よりも圧倒的にちからが高いことで話題になっていたキャラクターのひとりだ。
アンルシアは、そのちからの高さがプレイヤーの間でネタにされることがあった。それ以上のちからを得てしまったイルーシャも、今後プレイヤー間の語り草となるかもしれない。なお、SNSでは、イルーシャが弓攻撃で高ダメージを出しているスクリーンショットや、ムキムキに描かれたファンアートなども確認できる。さっそくちからの高さがイルーシャの特徴として受け入れられているようだ。
『ドラゴンクエストX オンライン』は、PCおよびNintendo Switch/PS4向けに発売中。