違法目玉焼き調理ゲーム『Arctic Eggs』退廃世界観などがSteamにて大好評スタート。卵から肉・銃弾・タバコまで何でも焼いて人々に振る舞う

デベロッパーのThe Water Museumは5月16日、SF料理ゲーム『Arctic Eggs』を配信した。対応プラットフォームはPC(Steam/itch.io)。本作は、さっそく高い評価を獲得している。

デベロッパーのThe Water Museumは5月16日、SF料理ゲーム『Arctic Eggs』を配信した。対応プラットフォームはPC(Steam/itch.io)。本作は、さっそく高い評価を獲得している。

本作の舞台となるのは、2091年の南極大陸。主人公の鶏売りは謎めいた施設に囚われた状況にあり、この場所から脱出するために、違法だとされる卵料理を人々に振る舞うこととなる。

『Arctic Eggs』にてプレイヤーは、鶏売りとなって施設内を探索する。施設から逃れるには、六胃聖と呼ばれる人物から認可を得る必要があり、謁見を実現させるには人々の腹を満たしてやらないといけないという。そこで施設にいるさまざまな人と出会い、料理を作って提供するのだ。

腹を空かせた人に話しかけると、会話を交わしたのち調理が開始。使用する道具はフライパンのみで、プレイヤーの操作によりフライパンを傾けて、投入した食材を滑らせるとなぜか加熱される仕組みとなっている。もっとも基本的な料理としては目玉焼きがあり、ほとんどの依頼者は両面を焼くことを要望。しばらく焼いて片面に火が通ったら、フライパンを上手く振って目玉焼きをひっくり返そう。勢い余って目玉焼きを地面に落としてしまったら、最初から作り直しである。

本作には卵以外にもさまざまな食材が登場し、卵と一緒に調理することもあれば、卵なしの場合も。たとえば、サイコロ状の肉塊は6面すべて焼く必要があり、魚のレーションは缶詰から魚を取り出して焼く。同時に調理する食材が増えるほど、フライパンからこぼしてしまう可能性が高まり、繊細なフライパンさばきが求められる。このほか、燃え尽きると失敗となる風味付けのタバコや、加熱されると弾ける銃弾、あるいはグラスと氷や、上手く扱わないと飛んでいってしまう害虫(いわゆる“G”)など、食材とはいえないものも調理することとなる。


本作は、もともと2023年11月に開催されたゲームジャムイベント「Bigmode Game Jam 2023」のために制作され、同バージョンをさらに拡張させた製品版が、PC(Steam/itch.io)向けに5月16日にリリースされた。本稿執筆時点で、Steamでは約400件のユーザーレビューが投じられ、その内の98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。この調子でレビュー数が増えれば「圧倒的に好評」ステータスも狙えそうな高い好評率である。

レビューでは、フライパンを振るだけとシンプルなシステムながら、難易度が高めでやり込みがいのある調理パートや、レトロ風3Dグラフィックと共に描かれる退廃的な世界観、また施設にいる個性的な人々や、彼らとのシュールな会話など、独特の作風に仕上がっているとして好評。ちなみに難易度については、鍋の縁の高さの異なる中華鍋や鉄板に持ち替えることで、ある程度調整可能だ。

また会話に関しては、『Buckshot Roulette』や『Spirit City: Lofi Sessions』『上に天井がある。(Looking Up I See Only A Ceiling)』など数々のインディーゲームの翻訳を手がけたnicolith氏が、本作の日本語翻訳を担当。国内プレイヤーからは、その翻訳についても好評の様子である。


『Arctic Eggs』は、PC(Steam/itch.io)向けに配信中。Steamでは、5月24日まで30%オフの840円で購入可能だ。なお、本作ではこれまでに難易度を緩和するアップデートが配信。Steam版にて以前の難易度でプレイしたい場合は、プロパティのベータの項目からアクセスできる。また、先述したゲームジャム版もitch.io向けに配信されている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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