謎めいたホームレスの人生振り返りゲーム『Vincent』発表。スケッチに描かれた記憶の世界を歩いて旅し、路上生活に至るまでの軌跡を追う

 

デベロッパーのPainted BobCatは5月18日、ホームレス人生アクションアドベンチャーゲーム『Vincent』をPC(Steam)向けにリリースすると発表した。

『Vincent』は、ホームレス状態にある中年男性のVincentが、自身の人生や過去の記憶と向き合っていく横スクロール型のアクションアドベンチャーゲームだ。Vincentは謎めいた過去をもつといい、プレイヤーはVincentのものと見られるスケッチ画の世界に飛び込み、その中を探索しながら彼が送ってきた生の物語の断片に触れていく。作中ではシネマティックなカットシーンも挿入され、具体的なエピソードが映像で描かれる場面もあるという。

本作は「JUMP & WALK game(ジャンプ&ウォークゲーム)」と謳われており、シンプルなアクション操作でストーリーを重視した作りになっている点がトレイラーからうかがえるほか、ストアページではビジュアルノベルやナラティブゲームの要素を含んでいるとも伝えられている。ニット帽を被り全身黒ずくめのVincentが緑豊かな自然や雪が吹き荒れる街を背景に、一歩一歩足を進め、柵を飛び越える姿もトレイラーでは確認できた。スクリーンショットにおいては、砂漠や夜の水辺を行く様子も見受けられる。

 


またトレイラーでは、雨が降る波止場のような場所で水辺に浮かぶおもちゃと頭を抱える人物の映像や、暖炉のある家で2人の子どもが父親に向けて描いたと思しきイラストにクローズアップするといったカットシーンも見られた。夕焼けに照らされた女性らしき人影もスクリーンショットには収められていることから、かつてVincentには何らかの家族に近いつながりがあったのではないかと想像できる。路上で暮らすに至るまでの間に、果たしてどのような人生を彼は過ごしてきたのか。その軌跡を追体験する過程で、プレイヤーもまた自らの生のあり方について考えさせられることだろう。

 


『Vincent』は、PC(Steam)向けにリリース予定。具体的な配信時期は明らかとなっておらず、続報に注目したいところだ。


本や映画や演劇と同じように、ゲームは世界と自分をつなぐもの。誰もが気楽に出入りできるゲームの浅瀬を広げていくことに、少しでも関われたらうれしいです。