ローグライトアクション『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』配信延期。同ジャンルの期待作『Hades II』のサプライズ配信を受け、急遽計画変更

Evil Empireは5月10日、『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』の早期アクセス配信を延期すると発表した。もともと5月15日に配信される予定だったが、5月中のいずれかの日へと延期するとのこと。

デベロッパーのEvil Empireは5月10日、『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』の早期アクセス配信を延期すると発表した。もともと5月15日に配信される予定だったが、5月中のいずれかの日へと延期するとのこと。具体的な日にちは来週発表される。

本作は、Ubisoftの『プリンス オブ ペルシャ』シリーズ最新作となるローグライトアクションゲームだ。リリースまでわずか5日に迫ったタイミングでの今回の延期発表の背景には、『Hades II』の存在があるという。


『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』は、王家の一員である主人公のプリンスとなり、ペルシャ世界を探索しながら、シャーマン魔術の闇に堕ちたフン族軍の侵略に立ち向かう横スクロール・2Dアクションゲーム。ローフライク要素が導入され、ステージはプレイするたびにランダムで生成。もし死んだ場合は道中での強化を失い、拠点からやり直すことになる。

『プリンス オブ ペルシャ』シリーズ作品らしく、アクロバティックなアクションと戦闘がシームレスに繋がるシステムが採用され、また罠を回避したり謎解きをこなしたりといった要素も用意。そしてステージを探索するなかで新たな武器を入手し、特殊効果をもつアクセサリーを装備・アップグレードして、自分なりのビルドを構築して戦いに臨む。

本作を手がけるEvil Empireは、人気作『Dead Cells』の開発元Motion Twinの姉妹スタジオであり、同作の正式リリース後の追加コンテンツ開発を手がけてきたことで知られる。Ubisoftと協力して制作される『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』では、同スタジオの得意とするゲームジャンルが採用された格好だ。


本作は先月4月11日に披露され、早期アクセス配信が5月15日に開始されることも発表。そしていよいよリリースが迫ってきた5月10日になって、配信延期が告知された。理由としては、Supergiant Gamesが手がけ先日5月7日に早期アクセス配信が開始されたローグライクアクションゲーム『Hades II』の存在が挙げられた。

発表にてEvil Empireは、『Hades II』がリリースされたことで今週はややクレイジーな週になったとコメント。皆この作品をプレイしており、皆の母親もプレイし、また同スタジオのチーム全員とその母親もまたプレイしている状況だとし、『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』の前に、皆に『Hades II』を楽しんでもらう時間を作る判断を下したとのこと。

また『Hades II』については、今年もっとも期待されているゲームのひとつだと言及。『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』には自信があるものの、同じゲームジャンルのそうした期待作が1週間違いでリリースされることはそうそうなく、またそうした状況を無視するほど高慢ではないとして、配信延期を決めたそうだ。


『Hades II』は、ローグライクアクションゲーム『Hades』の続編だ。前作は、Steamのユーザーレビューにて「圧倒的に好評」ステータスを得るなど非常に高い評価を獲得し、数々の賞を受賞。その続編とあって大きな期待が寄せられるなか、先日5月7日に早期アクセス配信が開始された。Evil Empireのチーム全員とその母親もがプレイしているというのはジョークだと思われるが、Steam版の同時接続プレイヤー数が10万人を超えるなど、連日大いに賑わっている状況であることは事実である。

ゲームの開発・販売元にとっては、他社作品とゲーマーの時間を奪い合っている側面があり、大作のリリースを受けて、あえてその時期を外すべく自社作品の発売を延期、あるいは前倒しするケースが時折みられる。本作『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』もまた、『Hades II』が現れたことでそうした判断をしたということだろう。同じゲームジャンルとなれば、なおさら影響は大きそうである。

一方で、リリースのわずか5日前というギリギリのタイミングで延期を発表することになった背景には、『Hades II』がサプライズ的に配信開始されたことがありそうだ。一般的には、事前にリリース日が発表されるものだが、『Hades II』は予告なしで突然配信開始された。これにはEvil Empireも驚きとユーモアを交えて反応(以下の投稿参照)。先日には、注目作のサプライズ配信によって、他作品のマーケティング計画が台無しになる可能性があるとする話題が注目を集めた(関連記事)。本作でも、舞台裏では計画練り直しで慌しい状況にあったものと想像される。


なおEvil Empireは、本作の配信延期によりできた時間を使って、バグ修正などの磨き上げ作業をおこなうとのこと。当初の予定では、リリース日に配信するパッチが肥大化していたそうで、そのテストにも時間を割き、また何らかの追加要素も導入していくそうだ。結果的に、本作のプロデューサーとディレクターのストレスレベルが下がることに繋がったと、前向きなコメントを残している。

『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』は、PC(Steam)向けに5月中に早期アクセス配信予定。具体的な日にちは来週初めに発表される。

【UPDATE 2024/5/14 12:05】

UbisoftとEvil Empireは5月13日、『ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ』の新たな早期アクセス配信開始日が、5月27日に決定したと発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ストアページによると、日本では時差の関係で5月28日配信となるようだ。また、価格は19.99ドルになることも発表。Steamの基準にて換算され、日本では2300円程度になるだろう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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