『フォートナイト』に『メトロイド』のサムスを出すコラボが協議されるも、破談になっていた。任天堂が自社ハード以外での登場を認めなかったとして

Epic Gamesの元CCO Donald Mustard氏は4月23日、海外メディアGame Fileのインタビューに答え、Epic Games時代のエピソードなどを語った。

Epic Gamesの元CCO Donald Mustard氏は4月23日、海外メディアGame Fileのインタビューに答え、Epic Games時代のエピソードなどを語った。このなかでは、かつて『フォートナイト』において任天堂とのコラボを模索したものの、両社の協議が物別れになったことが明かされている。

Donald Mustard氏は、『Shadow Complex』や『Infinity Blade』シリーズで知られるChAIR Entertainmentの設立者。2008年に同スタジオがEpic Games傘下に入ったのち、Epic GamesのChief Creative Officerに就任し『フォートナイト』などの開発を率い、昨年9月に退社している。


今回のインタビューの内容は多岐にわたるが、なかでも『フォートナイト』における任天堂とのコラボに関するエピソードが、海外メディアにて注目を集めている。というのも、『フォートナイト』のApp Storeでの配信をめぐるEpic GamesとAppleの訴訟にて提出された2020年当時の資料にて、同作のコラボコスチュームの取り組みが紹介されるなかで、『メトロイド』シリーズの主人公サムス・アランが示されていたのだ(Nintendo Everything)。

その資料にてサムスと一緒に紹介されていたのは、『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズの主人公クレイトスと、『HALO』シリーズの主人公マスターチーフ。それぞれPlayStation、Xboxの顔ともいえるキャラクターだ。クレイトスとマスターチーフのコラボコスチュームは2020年12月に発表され『フォートナイト』に実装されたが、残るサムスだけは未だ実現していない。

インタビューにてこの点について問われたDonald Mustard氏は、Epic Gamesは実際に任天堂にコラボのオファーを送っていたこと明かした。ただ当時任天堂は、自社のキャラクターを他社プラットフォームに登場させることはできないとし、Nintendo Switch版限定のコラボコスチュームとするのであれば可能だという趣旨の回答をしたのだという。


一方のEpic Games側としては、『フォートナイト』はすべてのプラットフォームにおいて同じ体験をプレイヤーに提供することが必須であるという立場。サムスのコスチュームをNintendo Switch版限定とする申し出は受け入れられないとし、結果的に両社の協議は物別れに終わったそうだ。

過去には、『ソウルキャリバーII』に『ゼルダの伝説』の主人公リンクがゲストキャラクターとして参戦したことがあったが、登場したのはニンテンドーゲームキューブ版のみであった(PS2版には三島平八、Xbox版にはスポーンが登場)。また、『Marvel: Ultimate Alliance』のWii版にリンクやサムスを登場させる計画があったものの、開発元がPS2版に実装して任天堂に披露したことから、破談になったとの逸話も伝えられている(GoNintendo)。これらも、自社キャラクターは自社プラットフォームのみに登場させるという任天堂のスタンスの現れだったのかもしれない。

*『フォートナイト』では、本日4月23日午後5時よりv29.30アップデートへのダウンタイムが実施予定。「Fortnite Festival」のメインステージにビリー・アイリッシュさんが登場する。


『フォートナイト』は、PC(Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Android向けに配信中だ。Xbox Cloud GamingやNVIDIA GeForce NOWを通じてiOS上でもプレイできる。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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