『ファイナルファンタジーVII リバース』の“魔晄吸い”パートでは、たとえば序盤のニブル山においては吸入する箇所がもともと6個あったという。開発終盤に多すぎると気付き、半分に減らしたことを、ディレクターの浜口直樹氏が明かしている。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS向けの『ファイナルファンタジーVII』のリメイクシリーズ三部作の二作目だ。対応プラットフォームはPS5。グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、ターンベースだった戦闘はアクションベースに変化。前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』ではミッドガル脱出を果たすまでの物語が描かれた。第二作目である『ファイナルファンタジーVII リバース』では、ミッドガル脱出からのクライマックスに向かう旅が展開。自由な探索をコンセプトに、広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追っていくことになる。
スクウェア・エニックスは欧米向けに『ファイナルファンタジーVII リバース』の振り返り記事第二弾を掲載。同記事では、体験版でもプレイできる(過去の)ニブルヘイムパートの制作裏側が語られている。それぞれの演出意図について浜口氏らが丁寧に説明しており、それだけでも興味深いが、ある記述が注目を集めている。それが「魔晄吸いパート」だ。Gamesrader+が同箇所を指摘している。
魔晄吸いパートは、本作では何度か出てくるパートだ。魔晄があふれたエリアにて、閉ざされた扉を開けるために、クラウドが吸引器を動かして魔晄を吸い取るミニゲームである。DualSenseと連動し重みを感じつつ、コードを伸ばしながら魔晄を掃除していく。
浜口氏は、このパートの意義として、吸入機を動かすことで世界を体験してほしかったとコメント。ゲーム内の設定の理解を促進する、インタラクションギミックが必要だったと説明した。つまり、魔晄ガスがいかに危険か、それを放置している神羅カンパニーがどのような会社か、こうした吸引器が必要であるほど危険な環境であることなどを、実際に体験してもらうことでプレイヤーの理解を促しているのだろう。
魔晄吸引パートにおいては、ガスを吸い込むことに達成感を感じられるように、ビジュアル、サウンド、振動などを緻密に磨き上げていったそうだ。かなり力を入れて制作していたことがわかる。なお当初は、たとえば回想シーンのニブル山において魔晄を吸うポイントは6箇所あったとのこと。
一方で、マスターアップから2週間し、6箇所は多いかもしれないと感じたという。あまりに多いとプレイヤーにストレスに与えかねないとして(it might be stressful if the player had to such up so many)、最終的に3つに減らしたそうだ。ゲーム本編では、過去ニブルヘイムパートのほか、いくつかの場面で登場。このアクティビティ自体は力が入っているのだが、基本的には重い装置を時間をかけて動かす、テンポとしてはスローなパート。それぞれ吸入箇所が多いとかなり時間を要するだろう。本作では気合が入ったほかのミニゲームパートも、テンポを損ねるとして否定意見も見かけられることを考えると、吸入箇所が減っていたという事実に安堵するプレイヤーは多いかもしれない。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS5向けに発売中である。