コーエーテクモゲームス、中国系大手ゲーム会社YOUZUを提訴。『信長の野望』などを“勝手にしつこくWeb広告に使われた”として
コーエーテクモゲームスは4月8日、中国系大手ゲーム会社YOUZUのシンガポール法人YOUZU (SINGAPORE) PTE. LTD.に対して、損害賠償などを求める訴訟を東京地方裁判所にて提起したことを発表した。
内容としては、YOUZUがコーエーテクモゲームスによるゲームシリーズ『信長の野望』および『太閤立志伝』の音楽、ゲーム画像、および同社の商標を、Web広告で無断に使用していたという。コーエーテクモゲームスとしては、この行為を著作権侵害に該当すると判断したそうだ。
YOUZUは以前よりこうした著作権侵害行為をおこなっていたといい、コーエーテクモゲームスは複数回にわたって警告状を送っていたそうだが、改善されず同様の行為が繰り返されているという。また今回においては、コーエーテクモゲームスの名前を無断使用し、同社が関わっているとユーザーに誤認させるような表記もあったとのこと。
そうした経緯を経て、コーエーテクモゲームス側は「被告のかかる行為はユーザー並びに当社のパートナー企業の不利益となるばかりでなく、当社ゲームの開発に携わるすべての関係者の努力を踏みにじるものであり、非常に悪質である」と判断。今回の訴訟提起に至ったそうだ。
YOUZUといえば、YOOZOO GAMESとしても知られるゲーム会社だ。中国にて立ち上げられ、『League of Angels』や『Infinity Kingdom』といったヒット作をリリース。現在では国内向けには『成り上がり 華と武の戦国』、『インフィニティ キングダム-諸王の戦争【アイケイ】』、『ダイナスティ・オリジン(Dynasty Origins)』などのスマートフォン向けゲームアプリを配信している。作風は違うものの、国取りゲームや国の内政ゲームを得意としている。
実際にどのゲームが、Web広告においてコーエーテクモゲームスのIPを無断利用していたかは現時点で不明である。しかし、YOOZOOブランドでの日本子会社も存在し、国内向けの展開もしているだけに、法廷でこうした問題の内容が明かされることになるだろう。