ほのぼのコンビニ店員シム『inKONBINI: One Store. Many Stories』正式発表。1990年代日本のコンビニで、お客さんと一期一会
デベロッパーのNagai Industriesは4月2日、コンビニ店員シミュレーションゲーム『inKONBINI: One Store. Many Stories』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo SwitchおよびPS/Xboxプラットフォームで、2025年第1四半期に配信予定。ゲーム内は日本語表示・音声に対応する。
『inKONBINI: One Store. Many Stories』は、1990年代初頭の日本のコンビニを舞台にした、物語主導のシミュレーションゲームだ。キャラクターのストーリーや深いダイアログに重点を置いた、ゆったりリラックスできるゲームプレイになるとのこと。主人公である大学生の早川真琴は、1週間の夏休みを使って、小さな町の外れにある叔母のコンビニを手伝うこととなる。
本作にてプレイヤーは、1週間のなかでコンビニの店舗運営を覚え、常連客の接客をこなしていく。作中では、商品を発注したり、倉庫の在庫整理をしたり、レジに立って接客しながらレジ打ちをするなど、コンビニ店員の日常業務が再現され、ミニゲームなどとして用意。また店内に関しても、1990年代初頭のノスタルジックに雰囲気と共に、細部まで再現されているそうだ。
コンビニには日々さまざまなお客が来店し、接客をするなかで会話を交わす。するとプレイヤーは、彼らの人間的な側面や秘密、あるいは生活のなかで抱えている問題などに触れることになるという。言葉の端々に、相手のことをより深く知るためのヒントが隠されているそうだ。また、会話中には返答の選択肢が提示されることがあり、プレイヤーの選択を通じて主人公の真琴がどのように行動するかによって物語は分岐し、そのお客がのちにおこなう決断などに影響する。お客にはそれぞれ個性や購買習慣、癖があり、それを学べば、彼らの来店を唯一無二の嬉しい体験にできるとのこと。
本作を手がけるNagai Industriesは、日本の東京に拠点を置くインディースタジオ。設立者のディマ・シェン氏を中心に、世界各国から計8人のスタッフがリモートで開発に参加しているという。シェン氏はロシア出身のクリエイターで、同国のウクライナ侵攻がきっかけで働いていたスタジオが閉鎖。その後同氏は、大ファンである『シェンムー』シリーズから影響を受け、日本のコンビニを舞台にしたゲームを作るべく来日しスタジオを立ち上げた。スタジオ名のNagai Industriesも、『シェンムー』に登場する「永井興業」からとったものだそうだ(ファミ通)。
本作においては、日本でいう「一期一会」をテーマにし、コンビニのお客との出会いのなかでは、とても些細なことが他人の人生を左右するということに気づかされるとのこと。シェン氏は、世論を誘導するプロパガンダではなく、対話を通じて“何が正しいのか、真実はどこにあるのか”を自分で感じられるゲームを作りたいと説明している(NHK クローズアップ現代)。そうして開発が進められている本作は、これまでにGDCなどさまざまなゲームイベントに出展され、このたび正式発表された。
『inKONBINI: One Store. Many Stories』は、PC(Steam)/Nintendo SwitchおよびPS/Xboxプラットフォーム向けに2025年第1四半期に配信予定だ。