『鉄拳8』原田氏、“実在レストラン”のステージ化要望が集まり困惑。「椅子のぶん投げ合い」など暴力沙汰多発イメージつきまとう老舗チェーン

 

バンダイナムコエンターテインメントの対戦格闘ゲーム『鉄拳8』に関して、とあるレストランチェーン店舗を本作のステージに採用してほしいと、海外の一部ファンが開発者に要望を送っている模様。そこで同社鉄拳プロジェクト・チーフディレクターの原田勝弘氏が3月30日、なぜそのチェーン店を希望するのかファンに理由を尋ねたところ、大きな反響を呼んでいる。


原田勝弘氏のSNSアカウントには、『鉄拳』シリーズに関する要望などがファンから日々たくさん寄せられており、同氏が反応を示すかどうかに関わらず、フィードバックとしてすべて記録しているという。そうしたなかで、米国のレストランチェーンWaffle Houseの店舗を、『鉄拳8』の追加ステージとして希望するファンが一定数いたようだ。

Waffle Houseは、米国内に1900店舗以上を展開する24時間365日営業のレストランチェーンである。黄色の背景に黒文字でブランド名が書かれた看板がトレードマークで、それと赤レンガ壁などを組み合わせた店舗デザインが特徴的。ちなみにメニューにはワッフルも存在するが、ステーキやバーガーなど幅広い料理が提供されているようだ。

1955年創業で米国内では有名な老舗チェーンのWaffle Houseであるが、日本やその他の国ではあまり馴染みはないだろう。また、なぜあえて同チェーンの店舗を『鉄拳8』のステージとして希望するファンが一定数いるのか、原田氏は不思議に思った様子。そこで同氏は、Waffle Houseをリクエストする背景の詳細をファンに尋ねた。すると、本稿執筆時点で約2200件もの返信が寄せられ、また約1.9万件のリポスト、約10万件のいいねが集まるほどの反響となった。


ファンからの返信を見ると、Waffle Houseは庶民的なチェーン店として各地域で親しまれている一方で、暴力沙汰の現場になることが多いというイメージが定着しているようだ。客同士でケンカになるだけでなく、店員を巻き込んだり、あるいは客の前で店員同士が殴り合いを展開することもあった模様。上に掲載したように、Waffle Houseでのケンカ動画をまとめるSNSアカウントまで登場している。

実際のところ、どれほどの頻度でこうした事件が発生しているのかは定かではないが、Waffle Houseが“バトルの場”であることは、一種のインターネットミームとして広まっている状況。そういった背景から同店舗は『鉄拳8』のステージとして相応しいとし、追加してほしいという要望がいくつも寄せられることになったのだ。実際に発生したケンカでは椅子が飛び交うことも少なくなかったようで、アイテムとして椅子を用意することは必須だと提案するファンもみられる。


Waffle Houseステージの導入は、ファンとしてはジョーク半分で要望したのかもしれない。ただファンから説明を受けた原田氏は、丁寧に礼を述べたうえで、『鉄拳8』への導入にあたっての現実的な問題点を指摘。実在店舗であり権利周りをクリアにする必要があるため、仮に同氏がWaffle House本社にコラボを提案したとしても、拒否されたら実現は叶わないと説明した。

すると、この原田氏の回答にもまた大きな反響が寄せられることとなり、たとえばブランド名を一部変更しパロディとして登場させることを提案したり、Waffle Houseの公式アカウントに宛てて「このチャンスを逃すんじゃない」と呼びかけたりするファンが殺到。ちなみに、今のところWaffle Houseは特に反応は示していない。また、Waffle House側としては、そもそも暴力事件が発生する店舗というイメージを好ましく思っていないだろうとし、コラボ実現に悲観的な見方をするファンもいる。ともあれ、ミームと絡めた要望に開発者が反応したことで、非常に大きな反響を呼ぶこととなった。

『鉄拳8』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。