ワーナー、今後は「ハリー・ポッター」などの保有IPでライブサービスゲーム開発に注力へ。大作ゲーム開発はビジネス的に“非常に不安定”だとして

Warner Bros. Discoveryのグローバルストリーミング&ゲーム担当プレジデント兼CEOを務めるJean-Briac Perrette氏は、同社のゲーム事業の今後の展望を説明。ライブサービスゲームに注力することなどを伝えている。

Warner Bros. Discoveryのグローバルストリーミング&ゲーム担当プレジデント兼CEO Jean-Briac Perrette氏は3月5日、金融機関Morgan Stanley主催のイベント「Morgan Stanley 2024 Technology, Media and Telecom Conference」に出演。このなかで同氏はゲーム事業の今後の展望として、ライブサービスゲームに注力することなどを語った。海外メディアGameSpotなどが報じている。


Warner Bros. Discoveryは、映画・テレビ番組の制作・配信から、音楽、出版、そしてゲームまで幅広く手がけるメディア企業だ。ゲーム事業においては、Rocksteady StudiosやNetherRealm Studiosなどの開発スタジオを傘下にもち、自社コンテンツを中心に展開。『Batman: Arkham』シリーズや『Mortal Kombat』シリーズなど数多くの作品を世に送り出し、昨年には「ハリー・ポッター」の世界観を採用した『ホグワーツ・レガシー』が大ヒットしたことが記憶に新しい。

同社のゲーム事業を率いるJean-Briac Perrette氏は今回のイベントにて、今後の展望などを語った。まず同氏は、現在同社のゲーム事業の大部分は、「Mortal Kombat」「ゲーム・オブ・スローンズ」「ハリー・ポッター」「DC」の4つのIPを中心に展開させていると説明。また、従来手がけてきたコンソール向けのAAAタイトル(大型タイトル)は、ヒットするかしないか、あるいはリリースの有無によってその年の業績が大きく変わり、非常に不安定であると述べた。

そのうえで同氏は、保有するIPとスタジオによって、今後ライブサービスゲームを開発する計画があると明かした。ライブサービスとは、定期的にアップデートを重ねながら運営し、継続的に収益を上げていくビジネスモデルのこと。Perrette氏は例として、『ホグワーツ・レガシー』や「ハリー・ポッター」をもとにしたライブサービスゲームを提供すれば、プレイヤーはその世界の中で生活したり働いたり、あるいは建築をしたりといった楽しみ方ができると紹介。同社は、この分野では今後数年にわたりさらなる成長が見込めるとし、すでにこうしたビジネスを構築するためのロードマップと戦略的な投資計画を用意しているそうだ。


なお、先述したAAAタイトルでヒットしなかった一例としてPerrette氏は、先月リリースされた『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』を挙げた。具体的な数字は発表されていないものの、同社からは売り上げ目標を下回っていることが報告されている(IGN)。同作はゲームプレイやストーリーが一定の評価を受けつつも、発売直後のサーバーの不具合やリリース時点でのボリュームなどライブサービスに関連した部分が評価を下げる要因のひとつになっている。

このほかPerrette氏は、先に挙げた4つのIPについて、より総合的なアプローチによってモバイルを含むマルチプラットフォームで開発し、基本プレイ無料にて提供することで、より安定した収益を得られるだろうとコメント。年内には、モバイル向けのいくつかの新作を発表予定だそうだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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