『HELLDIVERS 2』や『パルワールド』などの人気作を騙る偽物に注意。Steamにて、まったく別のゲームが表記を変えてなりすます悪質行為


Steamにて3月1日、『HELLDIVERS 2』や『パルワールド』などの人気作を騙る、まったく別のゲームが相次いで登場している。ユーザーを騙して利益を得ようとするメーカーが背後にいる模様である。

本稿執筆時点でSteamでは、たとえば「HELLDIVERS 2」と検索すると、同じ『HELLDIVERS 2』のタイトルをもつ3本のゲームがヒットする。各ストアページの、ゲーム概要やスクリーンショット、動画、開発元からのお知らせページなどの情報はどれも同じ。開発元Arrowhead Game StudiosとパブリッシャーPlayStation PC LLCの表記も同じだ。

『HELLDIVERS 2』を騙るストアページ


『HELLDIVERS 2』というと、先月2月8日にPC/PS5向けにリリースされ、Steam版の同時接続プレイヤー数が45万人を超えるなど、瞬く間に大きな人気を獲得したタイトルだ。またSteam版のユーザーレビューには約46万件が投じられ、その内の80%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

ただ、今回登場した別の2つの『HELLDIVERS 2』は、ユーザーレビュー数はわずか二桁。リリース日は、『HELLDIVERS 2』が発売されるよりも前の昨年11月4日となっている。またよく見ると価格設定も奇妙で、さらにユーザーが定義できるタグには「パズル」や「ポイント&クリック」「横スクロール」「2D」などが付けられており、本来の『HELLDIVERS 2』のゲーム内容とは大きく異なる。

どうやらこれらの“偽『HELLDIVERS 2』”は、もともとは別のタイトルで販売されていたゲームで、開発者がストアページの情報を『HELLDIVERS 2』そっくりに書き換えたようだ。Steamの非公式データベースサイトSteamDBを確認すると、ひとつはBside Studioの『Figurality』、もうひとつはFest Studioの『DO NOT SMILE』というゲームだった模様。もし購入すると、『HELLDIVERS 2』ではなくそれらの作品を入手することになるだろう。

『パルワールド』を騙るストアページ


さらにBside StudioとFest Studioは『HELLDIVERS 2』だけでなく、『パルワールド』や『Last Epoch』『Escape from Tarkov』といった人気作品を騙るSteamストアページも次々に作成。やはり既存の別のゲームのストアページを改変しており、よく見ると一部に不自然な点がみられる。この両社の関係は不明ながら、今回ほぼ同じタイミングで、それぞれの作品のストアページを先述した人気作品の内容に改変している。また両社がSteamに参入した日も同じであり、背後には同一人物がいるものと推測される。

こうしたストアページ改変は、おそらく誤って購入してしまった人から不当に利益を得ようと企んでの行動だろう。もっとも、まったく別のゲームが起動したら、購入者もすぐに気づいて返品するはず。Steamでは購入から2週間以内で、プレイ時間が2時間未満のゲームは返金を受けることができる。

結局のところ、こうした人気作を騙るストアページ改変をおこなっても、Valveの目に止まることは時間の問題。本稿執筆中には、早くも“偽『パルワールド』”のストアページが削除され、先述したほかのタイトルについても、ストアページは残っているものの販売停止された。自らが販売している作品のストアページを、このように軽々に改変し販売停止のリスクにさらしてしまうとなると、その元々の作品の出自にも疑いの目が向けられそうだ。

実は本件のようなストアページ改変は、これまでにもたびたび確認されてきた。ストア上でゲームを検索した際に複数ヒットしたり、本来Steamでは販売されていない作品がヒットしたりなど偽物の存在が疑われる場合には、ストアページに怪しい点がないか確認すると良いだろう。