MMORPG『リネージュW』開発元NCSOFT、カカオゲームズの新作『ROM』について著作権侵害などで提訴。ゲームシステムやUIなど多数盗用されているとして

NCSOFTは2月22日、Kakao GamesとRedLab Gamesを相手取り、著作権侵害および不正競争行為に関する民事訴訟を韓国・台湾で提起したことを明らかにした。

NCSOFTは2月22日、Kakao GamesとRedLab Gamesを相手取り、著作権侵害および不正競争行為に関する民事訴訟を韓国・台湾で提起したことを明らかにした。被告両社が手がけるMMORPG『ROM:Remember Of Majesty』について、NCSOFTのMMORPG『リネージュW』のコンテンツやゲームシステムの多数を模倣している事実を確認したと主張している。

『リネージュW』

『リネージュW』は、グローバル展開を前提に“グローバルワンビルド”にて開発された『リネージュ』シリーズのMMORPG。原作漫画から150年が経過したアデンを舞台に、君主や騎士、エルフ、魔術師それぞれの物語を体験できる。本作はクロスプラットフォーム対応にて、iOS/Android/PC向けに2021年11月から運営が続けられている。

一方の『ROM:Remember Of Majesty』は、RedLab Gamesが開発しKakao Gamesが販売を担当するMMORPGだ。カルデラスと呼ばれる大陸で繰り広げられる大叙事詩をテーマに、プレイヤーは領地戦や攻城戦、君主戦といった終わりなき戦争に参加できるという。本作はiOS/Android向けに、今月2月27日に正式サービス開始される予定となっている。

『ROM:Remember Of Majesty』

NCSOFTは発表にて、『リネージュW』の総合的なゲームシステム(ゲーム構成要素の選択・配列・組合等)に、『ROM:Remember Of Majesty』のゲームコンセプト・重要コンテンツ・アート・UI・演出等が酷似していると指摘。これは創作的な個性として理解することが厳しい水準であるとし、またMMORPGというゲームジャンルがもつ共通性や一般的な特徴を超え、NCSOFTの知的財産権を無断で盗用し剽竊したと判断したと説明している。

そして2月22日にKakao GamesとRedLab Gamesを相手取り、韓国のソウル中央地方裁判所および台湾の知的財産・商業裁判所において、著作権侵害および不正競争行為に関する民事訴訟を提起したとのこと。

またNCSOFTは、『リネージュW』と『ROM:Remember Of Majesty』のスクリーンショットを並べて、具体的な類似点を指摘している(以下掲載の画像。左側が『リネージュW』)。主張された内容は以下のとおり。

・ゲームプレイ画面/右のメニュー
 フレームのテクスチャとアイコンの形、スタイル、色などが似ている。

・ダンジョンのレイアウト/カードの形で配置されたダンジョンリスト
 構成と情報、レイアウトなどが似ている。

・主なGUI抜粋(比較しやすいよう並列編集済)
 イメージ/色、ボタンの形、装飾要素などの表現が似ている。


NCSOFTは、2023年にKakao Gamesが韓国で正式サービスを開始した『ArcheAge WAR』でも、『リネージュ2M』のコンテンツとゲームシステムの多数を模倣した事実を確認したとし、著作権侵害および不正競争行為に関する民事訴訟を同年に提起したと説明。また、Webzenが韓国でサービス中の『R2M』に対しては、『リネージュM』の著作権を侵害したとして提訴し、2023年8月に勝訴したという。

今回の『ROM:Remember Of Majesty』に関する法的対応についてNCSOFTは、同社の知的財産権の保護だけではなく、韓国におけるゲーム産業の競争力強化のために必要な措置と考え、無分別な盗作/盗用から各ゲームの固有コンテンツを保護し、企業が長期間掛けて研究/開発した成果物と努力を尊重する必要があると考えたとコメント。これからも知的財産権の保護のために、厳格な対応と必要な努力を続けていくとした。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6892