Spoonful Of Wonderは2月2日、猫生活アドベンチャーゲーム『Copycat』の体験版をPC(Steam)向けに公開した。本作はSteamにてリリース予定の新作ゲームの体験版が一斉に配信される「Steam Nextフェス」の参加作品であり、2月6日のイベント開始に先駆けて公開された模様だ。
『Copycat』は、一人称視点と三人称視点で交互に展開される、猫が主人公のアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは保護施設で引き取られてドーン(夜明け)と名づけられた猫となり、新たな飼い主となった単身の高齢女性オリーブとの共同生活を始める。だがドーンにはさまざまな家を転々としてきた過去があり、人間に対する根強い不信感からワイルドな野生での暮らしに憧れ、家中でトラブルを起こしたあげく逃亡を図ろうとする。
そうした紆余曲折を経ながら互いの心を通わせていき、ようやく安心できる居場所を見つけたかと思いきや突如オリーブの持病が悪化。彼女の身を案じる娘の手により、家を追われて野良猫になってしまうという筋運びで物語の幕が開かれる。作品トレイラーにはドーンが街なかを放浪する、その後の様子も収められている。
ゲームプレイではドーンを操作して、駆け回ったりジャンプしたりと猫ならではの躍動感あふれるアクションが楽しめるほか、バリエーション豊富な鳴き声を出すためのコマンドも用意されている。また、ドーンの思考がテキストとして空間に浮かび上がるかたちで現れるところも特徴的な部分だろう。その複雑な内面や驚いたりした場合の本能的な反応をうかがい知れる点も挙げられる。テキストは時に選択肢としても表示され、プレイヤーの判断が試される場面も多いようだ。
このたび公開された体験版では、ドーンが保護施設からオリーブ家にやってきて順応するパートを中心に、本作のストーリーにおける導入の雰囲気を味わえる。トイレットペーパーを引き裂いたりソファーで爪とぎをしたりといったいたずらから、庭で蝶を追いかけたりオリーブとおもちゃで遊んだり、とさまざまなミニゲームにも触れられ、猫目線でのアクティビティの数々を満喫することが可能だ。ドーンの外見については複数の種類から自由に選べるようにもなっていた。
さらには自然の専門家によるナレーションを通じて猫の生態に関する幅広い知識も学ぶことができるなど、随所に猫への愛とこだわりを感じる内容となっている。なお本作のタイトル名である『Copycat』には「模倣」という意味があり、救急車のサイレンの音に驚き失踪したかつてのオリーブの飼い猫や、家を奪った彼女の娘に対する嫉妬心を含んだ作中のテーマを「cat(猫)」に重ねたネーミングだと推察される。
本作の開発を手がけるSpoonful Of Wonderは、2022年に結成されたオーストラリア・シドニーに拠点を置く新興ゲームスタジオだ。ストーリー全般を手がけるSamantha Cable氏とゲームディレクションを担当するKostia Liakho氏の二人のメンバーから構成される同スタジオにとって、本作は初のリリース作品となる。小規模なチームながらオーストラリア国内のみならず、Taipei Game Showといった国外のゲームイベントでもプロトタイプ版が高く評価された実績を持ち、今後の進展に注目が集まっている。
『Copycat』はPC(Steam)/PS4/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに開発中だ。正式リリースの時期は未定となっている。