船上生活しながら開発中の海掃除ゲーム『Spilled!』に注目集まる。汚染された海のお掃除&生き物救助、半日でクラファン目標額達成
ゲームクリエイターのLente氏が開発を進めるエコロジーボートゲーム『Spilled!』がSNSを中心に話題となっている。同作の対応プラットフォームはPC(Steam)となる予定。多くの期待と注目を集めており、1月30日に開始された本作のKickstarterでのクラウドファンディングキャンペーンは半日ほどで初期目標額の調達に成功している。
『Spilled!』は、汚染された海に浮かぶ油やゴミを回収しながら美しい環境や生態系を取り戻していくソロプレイ向けのエコロジーボートゲームだ。プレイヤーが操作するボートには収集した油を貯めておくタンクがあり、各エリア内のリサイクルセンターでコインと交換できる。コインと引き換えにボートの移動速度や回収ギミックの範囲、タンクの貯蓄上限のアップグレードも可能。水を噴射して山の表面に付着した油を落とすなどエリアごとに新たなギミックが加わったり、汚れて動けなくなったさまざまな生物たちを救助したりといった要素も存在する。
本作は昨年10月にPC(Steam/itch.io)向けに体験版が公開された。環境問題をテーマに穏やかな雰囲気の心地よさが楽しめるゲームプレイなどから多くの期待が寄せられ、Steamのウィッシュリスト登録数は本稿執筆時点で1万4000件を超えているという。開発の経過を詳しく伝えるLente氏の定期的な情報発信にも注目が集まり、同氏のXアカウントのフォロワーは開設から約1年で1万7000人に達した。
こうした関心の高まりに応え開発体制を強化するべく、同氏はKickstarterでのクラウドファンディングにも着手。1月30日に開始されたキャンペーンは半日ほどで初期目標額である1万825ドル(約160万円)の調達に成功し、日本時間3月2日の18時まで追加の資金支援を受け付けている。サポート金額によってベータ版のアクセス権やボートのグラフィックを配したTシャツ、作中に登場する動物のネーミングライツなどのリターンが用意されている。ほか、今後さらなる目標額と達成時の追加内容の発表も予定しているとのこと。
そんなLente氏の本作における開発プロセスもまた、ユニークな経緯となっている。『Spilled!』はもともと2022年に大学の授業の一環で制作されたものだが、ゲームクリエイターとして本格的に開発に臨もうと考えた同氏は学校を中退し一隻のボートを購入。改修をしながらその中で暮らし、本作を作り上げていったという。そうした海上生活の様子はYouTubeでも公開されており、ボートの挙動などの部分で実際のゲームデザインにも反映されている模様だ。
『Spilled!』は、PC(Steam/itch.io)向けに体験版が配信中。正式リリースは現状Steamのみを対象として予定されており、具体的な配信時期は明かされていない。なお本作は日本語対応も予定されているとのことだ。