『PUBG』のKRAFTONが元従業員から裁判を起こされる。上司からのセクハラ被害についての相談を無視され解雇されたとの訴え

『PUBG: BATTLEGROUNDS』などで知られるKRAFTONが、米国カリフォルニア州にて元従業員から昨年12月に訴訟を提起されていたことが明らかになった。

『PUBG: BATTLEGROUNDS』などで知られるKRAFTONが、米国カリフォルニア州にて元従業員から昨年12月に訴訟を提起されていたことが明らかになった。元従業員が上司からセクハラを受けたうえ、不当に解雇されたとの訴えである。海外メディアPolygonなどが報じている。

KRAFTONは韓国に本拠を置く企業で、米国などにもオフィスを構えているほか、傘下にPUBG STUDIOSやBluehole Studio、Striking Distance Studios、Unknown Worldsなどのデベロッパーを抱える。今回の訴訟の原告は、KRAFTONのパブリッシング部門で2021年から働いていた、米国カリフォルニア州在住の31歳の女性とのこと。


海外メディアPolygonが入手した訴状によると、2022年12月8日にKRAFTONとStriking Distance StudiosのスタッフらはVideo Game Awards(おそらくThe Game Awards 2022のこと)に招待され、原告の女性も同行していたという。当時は、Striking Distance Studiosが手がけた『The Callisto Protocol』の発売直後だった。

そしてイベント終了後、一行はStriking Distance Studios主催のパーティーへと移動。原告の女性は、そのパーティーにて上司であるKevin Kimball氏から多量の酒を飲まされたのち、性的暴行を含むセクハラ行為を受けたと主張している。Kimball氏はEAやUbisoft、SIEなどを渡り歩いてきた業界のベテランで、当時はStriking Distance Studiosのグローバルマーケティング担当ヴァイスプレジデントを務めていた。また、原告が主張する事件の直後には、KRAFTONの戦略・ビジネス開発部門のトップに就いている。

原告の女性は、Kimball氏から受けた被害について会社に相談したものの、調査はおこなわれず訴えを無視されたと主張。そして2023年2月15日になって、女性は突然解雇されたとのこと。訴状のなかでは、被告側の報復による不当解雇であると主張。そしてKRAFTONやStriking Distance Studiosなど関連企業およびKevin Kimball氏に対し、損害賠償金の支払いなどを求めた。

『The Callisto Protocol』

元従業員からの提訴についてKRAFTONは、海外メディアPolygonを通じて声明を発表。同社では、職場における不適切な行為に関するあらゆる申し立てについては最大限に注意を払って取り扱っているとしつつ、個別のケースについてはコメントできないとした。ちなみに、Kimball氏は2023年9月にKRAFTONを退職している。理由は不明。

近年ゲーム業界では、会社幹部によるセクハラを含むハラスメント行為について従業員から告発される例が相次いでいる。今回の一件は、もし原告の主張どおりであれば、まさにそうした問題意識が高まっている最中に発生したことになり、裁判の行方次第ではKRAFTONの対応には厳しい目が注がれることになるかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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