携帯型ゲーミングPC「AYANEO NEXT LITE」発表。SteamOS互換OSを採用、費用対効果の高い製品とアピール


AYANEO社は1月10日、携帯型ゲーミングPC「AYANEO NEXT LITE」を発表した。発売日や価格など詳細は今後明らかにされる模様であるが、いくつかの情報が公開され、本製品はSteamOSを搭載することが特徴のひとつとなる。


AYANEO社は、「AYANEO」シリーズとして携帯型ゲーミングPC製品を展開しているメーカーだ。今回発表された「AYANEO NEXT LITE」は、2022年に発売された「AYANEO NEXT」の流れを汲むモデル。フラッグシップ級のデザイン・機能などを継承しながら、より幅広いゲーマーが手に取りやすい費用対効果の高い製品になるという。

公開された製品写真を見る限りは、本体デザインはAYANEO NEXTに似ている。詳細なスペックは未公表だが、ディスプレイには7インチ(800p)のものが搭載され、バッテリー容量は47Wh。いずれもAYANEO NEXTと共通だ。いわゆるドリフトが発生しにくいとされるホールセンサー採用のアナログスティックや、人間工学に基づいたグリップデザイン、振動機能の仕様も同じ模様である。


一方で、AYANEOシリーズではこれまで主にWindows OSが採用されていたところ、AYANEO NEXT LITEではSteamOSがプリインストールされることが大きな違いとなる。SteamOSはValveが開発したLinuxベースのOSで、PC向けに一般に配布されているほか、同社の携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」にも採用されている。

Steam Deckにおいては、起動すれば即Steamにアクセスするかたちとなり、ストアでのゲームの購入や、ライブラリからのゲームの起動などをおこなえる。互換レイヤーProtonによって、Windows向けゲームも対応するものがプレイ可能だ。また、デスクトップモードではLinux PCとしても利用できる。

AYANEO NEXT LITEはSteamOSを採用することで、Steam Deckに近い使い勝手の製品になるものと考えられる。Windowsのような汎用性の高さは期待できないが、ライセンス料の分だけコストを削減できるともいえるだろう。発表でも、本製品はコスト面での選択肢の提供が強調されている。価格やスペック次第では、Steam Deckと直接競合する存在となるかもしれない。

AYANEO NEXT LITEの発売日や価格などは未発表。AYANEO社は、明日1月12日に製品の詳細を公表する模様である。同社製品は、正規代理店である株式会社ハイビームから日本でも展開されているため、本製品の国内発売も期待できそうだ。

【UPDATE 2024/1/12 21:30】
AYANEO社の告知にあわせ、OSについて以下を追記。あわせて見出しも変更している

AYANEO社は1月12日、AYANEO NEXT LITEの製品仕様を発表した。SoCにはAMD Ryzen 5 4500UとRyzen 7 4800Uが採用され、RAMはいずれのモデルも16GB。価格は、AMD Ryzen 5 4500Uモデルと128GB SSDの組み合わせが299ドル(約4万3000円)、AMD Ryzen 5 4500Uモデルと512GB SSDが349ドル(約5万円)、Ryzen 7 4800Uモデルと512GB SSDでは399ドル(約5万8000円)となる。ちなみにSteam Deckの価格は5万9800円からとなっている。

また、本製品にはSteamOSが採用されると予告されていたが、実際にはSteamOS 3.0をベースにコミュニティによって再構成・再配布されているHoloISOが使用されることも今回明らかにされた。AYANEO社による最適化が施されるとのこと。HoloISOは基本的にはSteamOSと同様の動作をするものであるが、Valveによる公式サポートが提供されるわけではない点には注意が必要だ。

なお本製品では、ユーザーによるWindows OSのインストールが可能となっており、必要なドライバも提供されるそうだ。このほかの詳細は公式サイトを確認してほしい。発売時期は今後発表される模様である。