異変発見ホラーゲーム『8番出口』開発者、「異変が起こらない」との報告がバグであるかどうかわからず困り果てる。プレイヤーも開発者もわからない


8番出口』開発者のコタケノトケケ氏は12月6日、「異変が起こらない」のユーザー報告について反応。Steamコミュニティのスレッドを案内した。どうしても異変が見つからない場合は、セーブデータを削除してやり直してほしいとしている。

『8番出口』は、短編ウォーキングシミュレーターホラーである。本作の舞台は、無限に続く地下通路だ。プレイヤーは、無限に続く奇妙な地下通路からの脱出を目指す。標識を見る限り、8番出口の近くにいるようだが、歩いてもなかなか出口にはたどりつかない。どうやら地下通路に閉じ込められてしまったようだ。プレイヤーは地下通路の異変を観察しながら、出口への道を探す。

ルールはシンプル。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」。ようするに、異変を見つけたら引き返す、間違い探し的な遊びが導入されている。


安価で手に入り、短時間にてユニークな体験ができる本作。発売から1日で3万本を売り上げ、ゲーム実況者にも愛されるなど、大ヒットゲームとなりつつある。コタケノトケケ氏はバグ修正などに取り組んでいるが、同氏にも悩ましい現象があるようだ。それはユーザーから寄せられる「異変が起こらない」という報告である。

Steamの不評レビューやSNS上において、一部ユーザーが「異変が起こらない」と報告している。前述したように本作では「異変があれば引き返す」「異変がなければ進む」をして最終的に8番出口にたどり着くことを目指す。異変が見つけられなければ、ゲームが進行しないのである。


この異変が見つからないのが、バグではないかと指摘されているのである。コタケノトケケ氏はそうした可能性を留意しているようで、12月2日時点で異変が見つからないユーザーへの告知をSteamコミュニティに投稿。この現象について調査しているそうで、最悪セーブデータを削除し最初からやり直してほしいとしている。

この問題の難しさは2点ある。それは本作の仕様に「見つけた異変は消える」「気づくのが難しい異変もある」こと。前者は文字どおり、プレイヤーが異変であると認識し引き返すと、ゲームは発見されたものであると判定し、そのセーブデータに限って同じ異変は出現しなくなる。そうして出てくる異変の種類が少なくなり、後者の「(プレイヤーにとって)気づくのが難しいタイプの異変」に遭遇することになれば、不具合が起こっていると認識する可能性もあるだろう。

コタケノトケケ氏は、不具合報告は認識しているものの、調査しても現象の再現が難しく、再現方法を見つけた場合は報告してほしいそうだ。同氏は「異変がないことを確認するのが難しいのと同じで、バグがないことを確認するのはとても難しい」と、本作のシステムに紐づけて本件を解決する難しさを表現している。


なお同氏はバグと思わしき現象についても補足。異変が起こらないバグ報告は「異変がないのに進んだら0になったので、プログラムの内部的には異変が起こってるけど、異変の見た目が反映されてないんじゃないの」という報告であるとした。つまり、「異変が見つからないのに進んだら0になってしまったので、それがバグっているんじゃないか」との旨の報告であることを指しているのだろう。
【UPDATE 2023/12/7 9:30】
コタケノトケケ氏が指すバグがどのような内容であるかの補足を追記


コタケノトケケ氏が案内するように、セーブデータを削除すれば解消できるかもしれない。いずれにせよ、同氏が指摘しているように「起こっていないことに気づけるかどうか」というユニークなテーマだからこそ発生した、興味深い報告と現象だと言えそうだ。

『8番出口』は、PC(Steam)向けに発売中。12月7日までは定価から10%オフの423円でゲームを購入できる。コタケノトケケ氏は先日カメラ酔いの対策についても共有しており、カメラ酔いしてしまった/あるいはしそうな方は、こちらを参照してみてほしい。