『龍が如く7外伝』のムービー容量は、77%が“キャバクラ”だった。ど迫力4Kキャバ嬢は容量もダイナマイト

 

セガ・龍が如くスタジオ技術責任者の伊東豊氏は12月5日、『龍が如く7外伝 名を消した男』(以下、龍が如く7外伝)の技術面に関する豆知識を投稿。その中で、同作のムービー容量の77%がキャバクラシーンであることを明らかにした。


『龍が如く7外伝』は『龍が如く』シリーズ新作だ。11月9日に発売され、対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。同作では、『龍が如く6 命の詩。』にて姿を消した桐生一馬が、『龍が如く7 光と闇の行方』の時間軸中何をしていたかが描かれる。主人公は桐生一馬で、『龍が如く6』まではおなじみだったアクションシステムが採用。蒼天堀を中心に、桐生がいかにして『龍が如く7』の“あのシーン”に至ったかの過程が描かれるわけだ。

伊東氏によると、『龍が如く』シリーズのムービーは長い間「フルHD・30fps」だったという。しかしハードウェアの性能向上によってゲーム本編(ゲームプレイ中)が4Kや60fpsで動作することになり、旧来のムービー仕様だと、ムービー時に画質が低下する逆転現象が起こってしまったそうだ。そうした経緯から、『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』からはムービーも「4K・60fps」で制作しているそうだ。

そして『龍が如く7外伝』では、ムービー仕様がリッチになったことから、キャバクラの実写映像の容量が増大したという。最初の見積もりではアプリケーションが30GBでムービーが60GB状態となっていたそうだ。また伊東氏はムービーにおけるシーン比率を円グラフで表現。それによると、イベントシーンやカラオケを差し置いて、77%がキャバクラを占めている。圧倒的キャバクラ率である。


ではなぜキャバクラ率が高いのだろうか。ここからは筆者の推測になるが、本作からキャバクラの描写が3Dモデルから実写ムービーへと変更されたことに起因するだろう。『龍が如く』シリーズでは、通例キャバクラ要素が存在。実在人物をモチーフにしたキャラを含むさまざまなキャバ嬢と交流ができる。会話をかわしたり、プレゼントをしたり、仲が深まると特定のイベントなどが発生する。それらのキャラは原則3Dで表現されていた。

『龍が如く6』でのキャバクラ


本作でもキャバクラ要素は存在。しかしながら、その描写が実写ムービーへと変更されている。嬢たちの多種多様な演技が実写ムービーに収められ、状況に合わせて再生される。この路線変更によって一人称視点によるやたら艶めかしい嬢たちとの臨場感あるコミュニケーションが可能となった。3Dモデルではないことによるモデル作成工数の削減や、“似てない”との批判も避けられることだろう。

『龍が如く7外伝』でのキャバクラ


しかしながら、このムービーの量はかなり多い。キャバクラ内のあらゆるシーンはムービーになっているほか、会話パターンも豊富。キャバ嬢も5人存在することから、伊東氏も(キャバ嬢の)ムービー量が膨大であったとコメントしている。実際にゲームをプレイしキャバクラへと足繁く通ったプレイヤーならば、そのムービー量には納得だろう。これらのムービーはブロックノイズなども見られず、解像度4Kで非常にハイクオリティ。映像の圧縮などは当然しているとして、質・量ともにダイナマイト級ということで、77%というのもある意味納得ではある。

 


一方でこの実写ムービー路線が次回作でも継続されるのかは気になるところ。なにせ『龍が如く8』は『龍が如く7外伝』よりもずっとボリュームの多い作品と予告されており、実写ムービー向けの容量スペースはないかもしれない。『龍が如く8』では、キャバクラがどのように描かれるのか注目されるだろう。

ちなみに前述の伊東氏のXアカウントでは、『龍が如く』シリーズのさまざまな技術情報が知れる楽しげな投稿が数々投稿されている。たとえば、『龍が如く7外伝』では街を歩く人達の数もシリーズ最多など。同氏のアカウントをフォローして、龍が如くスタジオの技術を勉強してみるのもいいかもしれない。


『龍が如く7外伝 名を消した男』はPC(Steam/Microsoft Store)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。