デベロッパーのFrontier Developmentsは11月27日、同社のビジネスの最新情報を投資家向けに報告。このなかで、今後は経営シミュレーションゲーム開発に専念する方針を明らかにした。
Frontier Developmentsは、イギリス・ケンブリッジに拠点を置く老舗デベロッパー/パブリッシャーだ。古くは『RollerCoaster Tycoon』『Thrillville』シリーズなどを手がけ、近年では『Elite: Dangerous』や『Planet Coaster』『Jurassic World Evolution』などの開発元として知られる。
また2019年からは、他社タイトルの販売を手がけるパブリッシング事業も開始。2020年には専門のFrontier Foundryレーベルを立ち上げた。同事業を通じては、『Lemnis Gate』や『FAR: Changing Tides』『Warhammer 40,000: Chaos Gate – Daemonhunters』『Deliver Us Mars』などを販売している。ただ今年6月、担当した多くのタイトルで売り上げ目標を達成できていない状況から、パブリッシング事業の終息が決定。Frontier Foundryレーベルも活動終了とされた。
今回の発表では、この5年間はポートフォリオの拡大を目指して、先述したパブリッシング事業の展開や他ジャンルゲーム開発をおこなってきたものの、期待どおりの成功を収められていないと報告。そして、今後はFrontier Developmentsが本来得意とするクリエイティブな経営シミュレーション作品(Creative management simulation)にふたたび専念し、収益力を強化していくとした。
同社の現在の柱となっている経営シミュレーションゲームは『Planet Coaster』『Planet Zoo』『Jurassic World Evolution』『Jurassic World Evolution 2』の4タイトルで、いずれも発売から1か月以内に開発コストを回収するなどヒットを記録。発売から4年以上経っている作品もあるが今もよく売れており、それぞれ1億ドル(約148億円)以上の収益を上げているという。
なおFrontier Developmentsは、現在未発表の経営シミュレーションゲーム3本を開発中で、2025〜2027各会計年度に1タイトルずつリリースしていく計画だそうだ。すでに同ジャンルに専念する準備を整えていたということだろう。
一方で、既存タイトルのサポートも継続され、このなかには『Elite Dangerous』や『F1 Manager』シリーズも含まれる。先日11月18日に発売された『Warhammer Age of Sigmar: Realms of Ruin』に関しても、有料DLCリリースを含むコンテンツ開発およびサポートを続けながら、収益を高めていきたいと説明された。