人気ゾンビサバイバル『Project Zomboid』次期大型アプデ情報を一部公開。“ついに”ドアの開閉時アニメーション追加、新クラフト「鍛冶」の概要など新要素多数お披露目

 

The Indie Stoneは11月24日、『Project Zomboid』の次期大型アップデートBuild 42の新情報を公開した。新たに実装されるゲーム内メカニズムのほか、新クラフトアイテムが一部紹介されている。

『Project Zomboid』は斜め見下ろし視点のオープンワールド・サバイバルゲームだ。本作は、ゾンビの感染爆発が起こった架空のアメリカ・ケンタッキー州の地域「Knox Country」を舞台としている。フィールドを徘徊するゾンビは日ごとに増加していき、ライフライン(水道・電気)も徐々に遮断されていく。こうした状況で死の恐怖が迫り寄るなか、ひたすら生き延びていくことがプレイヤーの目的となる。

なお、本作には到達すべきゴールや生存期間などはゲームシステム上に用意されていない。プレイ開始時に表示されるメッセージ「これはあなたがいかにして死ぬかの物語」の通り、プレイヤーの死亡がエンディングを意味する、自由かつハードコアなサバイバルゲームだ。

今回発表されたのは、本作の次期大型アップデートBuild 42で実装予定の新要素と、その開発状況だ。はじめに、実装予定の要素としてドアの開閉アニメーション追加と、そのテスト映像が公開された。本作の現行Build 41においては、ドアに対してインタラクトした際、即座に開閉状態が切り替わる仕様となっている。この仕様がBuild 42では廃止され、ドアが開いていく/閉じていくアニメーションが加わる模様だ。

一見して地味な変更内容であるものの、プレイへの影響は大きいだろう。家屋を探索する際のテクニックとして、瞬間的にドアを開閉することで中にゾンビが潜伏しているかどうかをチェックする、という安全確認テクニックがあった。ここにアニメーションが加わるBuild 42ではこの手法が使えなくなるため、プレイヤーの探索にはこれまで以上の緊張感がもたらされることだろう。


また、新たに加わるクラフト要素「鍛治」の概略もお披露目されている。Build 42では、採集で手に入れる鉄鉱石や石炭からクラフトするコークスといった素材アイテムが加わる。プレイヤーはこれらのアイテムを使用して、鉄や鉄鋼の精錬/鋳造が可能になるようだ。また、鍛冶の作業工程で必要となる原始的な溶鉱炉や窯、ふいごや金床、砥石といった作業台アイテムも加わる模様。最終的にクラフト可能となるアイテムから、マチェットや剣、鉄製の槍先やトゲ付き棍棒といった装備のグラフィックが公開されている。

こうしたBuild 42のクラフトシステムは、ゲーム内のあらゆる森林で、何ももたないところから始められることがコンセプトに掲げられており、鍛冶もそのひとつだという。Build 42では楽しめるプレイスタイルがより豊富になりそうだ。

このほか、ゲーム内の液体アイテムを別の容器に移す/混ぜるシステムなども紹介されている。液体の移し替えでは、キャラクターの髪色を変更可能なアイテムの染毛剤を、複数色で混ぜ合わせ、より細かな髪色の調整が可能となる模様。実際にほかの色と混ぜ合わせる様子の映像が公開されている。本作をマルチプレイヤーで楽しみ、キャラクターの個性を重視したいプレイヤーにとっては、嬉しい新要素かも知れない。また、前述した鍛治でクラフト可能な籠手や脛当てをはじめとする、装備の装着仕様も調整中。今後はヘルメットやマスクなどのアイテムが聴覚や視野を僅かに低下させる可能性が示唆されている。

システム面では、4K解像度でのプレイに最適化されたUIの実装、サンドボックスモードにおけるガソリンスタンドのガソリン貯蔵量の設定項目が追加予定とのこと。ガソリンの貯蔵量は最大で無限まで設定が可能なほか、ゲーム開始時点から枯渇状態でスポーンする確立も設定可能のようだ。また、以前より発表されていた、プレイヤーがアクションを起こした際の“呻き声”ボイスの調整状況も一部公開(関連記事)。発表当初のテスト環境では、激しい声の続く“テニスラリー”の様相になってしまうとして懸念されていたものの、今回公開された動画ではごく自然なものとなっており、着実にブラッシュアップが進められている様子がうかがえる。


最後に、ワールドマップへ新たに追加予定のロケーションとして、西部開拓時代を思わせる街並みがお披露目された。アスファルト舗装されていない通りと古風な建築物が特徴的で、こちらでは鍛冶で利用する設備や道具を見つけるのにうってつけのロケーションになるようだ。

以上が今回発表された、次期大型アップデートBuild 42の新要素だ。『Project Zomboid』は、2013年11月8日にリリースされて以来、継続的なアップデートを続けており、本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは19万806件中94%の好評により「非常に好評」のステータスを獲得している。早期アクセス配信開始から10年が経過した現在でも、連日ピーク時3万人超の同時接続プレイヤー数を記録(SteamDB)。『7 Days to Die』に並ぶ人気のゾンビサバイバルゲームといえるだろう。

Build 42はBuild 41が配信された2021年12月以来のメジャーアップデートとなり、ゲーム全体の大きな変化が見込まれる。今後の開発状況およびアップデート配信開始時期に関する発表に期待したい。

『Project Zomboid』はPC(Steam)向けに、早期アクセス配信中。現在開催中のSteamオータムセールにて、11月29日まで33%オフの1541円で販売中だ。