『GO SOME BALLS : Only Up and Getting Over It』なるゲームがSteamに登場。話題作キメラもここまできた

 

Steamに『GO SOME BALLS : Only Up and Getting Over It』なるゲームが登場している。ストアページが開設されている。同ページによると、2024年1月1日配信予定とされている。

『GO SOME BALLS : Only Up and Getting Over It』は、3Dアクションゲームだ。プレイヤーはある日「ボール」になってしまった人間として、高みを目指し登っていく。ゲームはボールを背面視点で見る3Dアクションとして展開される。ボールは球体なので慣性がある。またジャンプをするとボールが上空にあがるが、弾む際にうまくジャンプするとより高くあがるなど、物理法則が働いている。そうしたクセのあるボールを操作し、上を目指していくのだ。

体験版が配信されていたので、筆者もプレイしてみた。導入としては、最近よくある“謎の天の声”に導かれる形式で進行。どこが上空への足場になるのかを考えながら進んでいく。落ちてしまうと、そこからやり直し。皮肉じみたナレーションとともに、再び空登りにチャレンジすることになる。なお本作はUnreal Engine 5.3にて開発されており、同エンジンを用いた物理シミュレーションが特徴とのことだ。


何より注目したいのは、本作のタイトル名だろう。『GO SOME BALLS : Only Up and Getting Over It』というタイトル名は、なんというか、身も蓋もない組み合わせである。昨今ヒットしたゲームである『Going Balls』に『Only Up!』、そして『Getting Over It with Bennett Foddy』を組み合わせたのだろう。

で、ゲーム内容がそれらを組み合わせた結果面白くなっているかというと、なんともいえない。そもそもとしてゲームのベースはほぼ『Only Up!』のルールである。また『Only Up!』は落ちたら終わりなど『Getting Over It with Bennett Foddy』のルールを含んでいるので、「Getting Over It」と銘打たれているものの同作の要素はあまりない。ボール要素については、すでにボール状のキャラでプレイする空登りゲーム『HANS』が登場しているので、新鮮さもない。体験版を遊んだ限りでは、ゲームエンジンの恩恵もあってか遊べるような内容になっているものの、キメラ化したからこそ生まれた面白さなども特にない印象だ。


とはいえ、話題先行ゲームであったとしても、デモ版でゲーム内容を確かめさせてくれるだけ良心的かもしれない。話題作のタイトル名詰め合わせキメラゲームとしては、『フォートバトル行動ナイト』なるゲームも存在。同作は話題になったのち静かにApp Storeから消えた。アメリカでは現時点で「Getting Over It」「Only Up!」なる商標は提出されていない。ただ「GO SOME BALLS : Only Up and Getting Over It」というタイトル名は、めちゃくちゃなのでそれぞれの作品自体と間違えることはないにせよ、関連作と誤認させる可能性がある。またそれらの人気ゲームのワードでSteam検索すると本作が引っかかるなど悪質さはある。

ちなみに本作はSteamストアページができる前からitch.ioにて制作者による開発報告がされている。開発者であるLokin Studioは本作をしきりに『GO SOME BALLS』と呼んでおり、「Only Up and Getting Over It」はあくまでサブタイトルという認識なのだろう。『GO SOME BALLS』というワードそのものは、『Going Balls』に似ているものの何かを誤認させるワードではないので、サブタイトルが消えれば“普通のゲーム”になるかもしれない。