“死にゲーアクションメーカー”『I Wanna Maker』Steam正式リリース。無料で「アイワナ」系嫌がらせアクションがバンバン作れてシェアしてみんな苦しむ
パブリッシャーのThe Elephant Crewは11月10日、『I Wanna Maker』を正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示に対応している。本作はSteamでの早期アクセス期間に、ユーザーレビューにて「圧倒的に好評」のステータスを獲得。正式リリース以降、同時接続プレイヤー数が早期アクセス当時の賑わいを取り戻している。
『I Wanna Maker』は、2Dアクションゲームと、そのレベルエディターだ。「I Wanna」の文言が含まれるように、本作は2008年1月30日にリリースされた高難易度2Dアクションゲーム『I WANNA BE THE GUY(以下、IWBTG)』から派生した作品だ。オリジナルとなった『IWBTG』は、アメリカのプログラマーMichael “Kayin” O’Reilly氏により開発された2Dアクションゲーム。同作は、初挑戦時には予測不能なトラップや、繊細な操作を要求するステージギミックによってプレイヤーたちを繰り返し死に至らしめる、所謂“死にゲー”として人気を博し、数多くの二次創作が生み出されてきた作品だ。本作『I Wanna Maker』は、そんな『IWBTG』のステージをユーザー同士で自由に作成/共有してプレイできるゲームだ。
本作の目玉となるのは、ゲームに同梱されている『IWBTG』専用のステージエディターだ。ユーザーは、このエディターを使用して自由に『IWBTG』のステージを作成し、ゲーム内で公開することが出来るのだ。エディターの操作画面では、足場ブロックやトゲ、リンゴなど70個以上のオブジェクトを、グリッド上に配置するという簡単な操作でステージ作成が可能。また、それぞれのオブジェクトに対して詳細設定が可能で、サイズや角度、カラースケールによる配色といった基本的な設定から、プレイヤーの特定アクションを検知して作動するような可変ギミックも作成可能だ。これらのステージ作成工程は、すべてマウス操作で可能となっており、プログラミング言語を知らなくてもアイデアをかたちにできるのが、本作の特徴といえるだろう。
また、本作はオフライン向けのキャンペーンモードも用意されており、エディターを一切使用せず、プレイだけを楽しむことも可能だ。ほかのユーザーが作成/公開したステージはオンライン上で共有されており、公開ステージリストから選択してすぐにプレイ可能。公開されているステージにはそれぞれのランキングが存在し、気に入ったステージがあればプレイリストに加えておくこともできる。
また、公開ステージリストにはおすすめや人気コースなどを切り替えるソート機能も用意されており、「初見殺し系」「パズル系」「ネタ系」などステージの性質を表すタグ付け、ステージに対するGood/Bad投票など各種機能が充実している。このほか、公開されているステージは「エディターから開く」という操作も可能となっている。これにより、プレイしたステージのギミックが、エディター上ではどのような設定で作られているのかも確認可能だ。プレイだけでなく、ステージ作成にも挑戦してみたい人は、他のプレイヤーのステージを参考にしながら進めてみるのもよいだろう。
そんな本作は、2020年2月のSteam早期アクセス配信開始から3年以上の時を経て、今回正式リリースを迎えた。本作上では早期アクセス開始から現在までに24万以上のステージが制作されたという。Steamユーザーレビューにおいても、本稿執筆時点で3640件中95%の好評により「圧倒的に好評」のステータスを築き上げており、多くのファンから愛されてきたことがうかがえる。
正式リリース以降、同時接続プレイヤー数は一時508人を記録し、早期アクセス開始当時に記録された最多同時接続プレイヤー数514人に迫る数のプレイヤーが参加したようだ(SteamDB)。本作の正式リリースを祝福してか、オリジナルの『IWBTG』開発者であるKayin氏も、X上で本作の正式リリース告知をリポストしている。
本作を手がけるのはデベロッパーのThe Elephant Crewだ。同デベロッパーは、2016年頃から本作の開発を進めてきたとのこと。本作は現在Steamにて無料で配信されているものの、同デベロッパーがクリエイター支援プラットフォームKo-fiにて開設しているページより、5ドルからの寄付が可能となっている。本作およびデベロッパーの支援を考える方は、一度そちらをチェックしてみるとよいだろう。
『I Wanna Maker』はPC(Steam)向けに、無料で配信中だ。