『ナイト・イン・ザ・ウッズ』チーム新作世知辛猫生活ゲーム『Revenant Hill』開発中止。理由は2名の主要開発メンバーの離脱
ゲームスタジオThe Glory Societyは11月8日、現在同スタジオが開発中の『Revenant Hill』の開発を中止すると発表した。理由は2名の主要開発メンバーの離脱だという。
『Revenant Hill』は、猫生活ゲームアドベンチャーゲームだ。主人公は、住んでいた納屋が焼けたことによって家を探す子猫のTwigs。新たな寝床として廃墟と化した墓地の近くの、濡れた丸太に住みつくが、丘に住んでいたフクロウから家賃を請求されてしまう。Twigsは生活費を工面するために、作物を育て、仕事を見つけ、秘密のマーケットで金を稼ぐ。人間社会に生ける猫としての、世知辛さを描く作品となる……予定だった。
同作は2020年にその存在が明かされ、今年5月に正式発表された。The Glory Societyは『Night in the Woods(ナイト・イン・ザ・ウッズ)』を手がけた主要開発者によるスタジオであり、パブリッシャーも同作と同じFinjiが担当。コンセプトやデザインからも『ナイト・イン・ザ・ウッズ』も思い起こさせるもので、実質的な後継作として期待が寄せられていた。今年夏にはスタッフの募集もかけられており、プロジェクトは順調かと思われたが、そうではなかったようだ。
開発中止の理由としては、主要開発メンバーが、深刻な健康の問題によりチームを離れることがきっかけだという。チームは小さな規模で、1名がさまざまな役割を担っているとコメント。人の替えがききづらいとして、プロジェクトをやり直すのは困難だと判断。『Revenant Hill』の開発を終わりにすることになったようだ。またThe Glory Societyは声明にて同プロジェクトをサポートしてくれたすべて人に感謝するとした。
『ナイト・イン・ザ・ウッズ』といえば、大学中退ネコを描くという独特なテーマをフックに、ネコを通じて人間のモラトリアムや閉塞感を描いた作品として高い評価を獲得した。一方で開発者のひとりに性的虐待疑惑が浮上し、同氏はそののち亡くなるなど、複雑な事情を抱えた作品でもあった(関連記事)。残された開発チームは心機一転新たなスタジオを立ち上げ、新作に取り組んでいた。しかしながらその新作は日の目を見ずに終わることとなった。