任天堂・古川社長、「Nintendo Switchの次世代機が開発者向けにこっそりお披露目されていた」という報道を強く否定。事実ではないとして
任天堂は11月7日、2024年3月期第2四半期の決算を発表。その会見にて同社社長の古川俊太郎氏が、「今年の夏に開催された海外イベントにて、任天堂がNintendo Switchの後継機のデモンストレーションをした」といった報道について「事実ではない」と否定したとのこと。毎日新聞が報じている。
Nintendo Switchの発売から6年が過ぎライフサイクルの終盤にあるとみられるなか、任天堂は定時株主総会などの場にてその後継機種について言及。今年6月に古川氏は、Nintendo Switchから次世代機へのユーザーの移行においてはニンテンドーアカウントを活用する考えを示した。ただ、次世代機がどのようなハードウェア・スペックになるのかや、発売時期については一切明らかにされていない。
一方で、噂レベルでは真偽不明の情報がさまざま飛び交っている。そのひとつとして挙げられるのが、本稿冒頭で触れた“後継機のデモンストレーション”だ。今年8月にドイツで開催されたイベントgamescomで、「任天堂が一部のメディアや開発者向けに、非公開の場にて次世代機を披露した」との情報が、海外メディアにて次々に報じられた。
報道内容としては、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を次世代機の性能にあわせて調整した技術デモや、昨年4月にPS5/Xbox Series X|S向けに配信されたUE5の技術デモ『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』が次世代機の開発機上で動作する様子とされた。また、NVIDIA DLSSの活用についても言及されている(Eurogamer・VGC)。
今回の決算発表会見にて古川氏は、上述の報道について触れ「事実ではない」と否定したという。また、次世代機にまつわるほかのさまざまな観測報道についても、「ネットを中心にあたかも公開情報であるかのようなうわさが流れているが不正確だ」と指摘したとのこと。先の報道については、大手海外メディアが独自の情報源をもとに大々的に報じていたが、任天堂はgamescomでデモンストレーションをおこなったことを完全否定した格好だ。
このほか古川氏は、任天堂が申請し今年10月に公開された特許情報についても言及。それは、2つの画面をもつ携帯型デバイスに関する技術で、2つの画面は取り外し可能とされた(以下画像参照)。こうした情報から、これが次世代機の姿なのかと一部で話題となったが、古川氏は「(特許の情報は)公開されると理解して出願している。そのまま将来の製品に搭載されることを意味するわけではない」と釘を刺したそうだ。
なお、任天堂の2024年3月期第2四半期の決算としては、最終利益が前年同期比17.7%増の2712億円で、中間決算として過去最高を更新。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が売り上げ1950万本を記録するなど、Nintendo Switchソフトウェア・ハードウェアが好調であったことや、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」関連の売り上げなどが理由として挙げられている。