『ウィッチャー』新作では、『サイバーパンク2077』での失敗を繰り返さない。CDPRベテランスタッフが「コンソールも含めた初期開発体制」を明かす

CD PROJEKT REDのエンジニアリングディレクターColin Walder氏は10月16日、『ウィッチャー』シリーズ新作について言及。『サイバーパンク2077』での失敗を繰り返さない開発体制を敷いていることを明らかにした。

CD PROJEKT REDのエンジニアリングディレクターColin Walder氏は10月16日、海外メディアInven Globalとのインタビューに応じ、『ウィッチャー』シリーズ新作について言及。『サイバーパンク2077』での失敗を繰り返さない開発体制を敷いていることを明らかにした。

Colin Walder氏は、Free Radical DesignやRockstar Gamesを経て、現在CD PROJEKT REDに務めるベテラン開発者だ。『ウィッチャー3 ワイルドハント』や『サイバーパンク2077』の開発においては、オーディオの技術面に携わりながら、コーディングチームのマネジメントもこなしてきた。今回のインタビューでは、開発チームの構築やリーダーシップなどについて語るなかで、『ウィッチャー』シリーズ新作にも言及された。

CD PROJEKT REDは昨年3月、『ウィッチャー』シリーズの新章が幕を開けるとし、Unreal Engine 5を用いて新作を開発中であることを公表。『ウィッチャー3 ワイルドハント』に続く新作は現在「Polaris」というコードネームで呼ばれており、新たな三部作の第1作目になるという。

Walder氏は「Polaris」の開発においては、内部的なデモを制作しながら段階的に進めており、そのなかでさまざまな要素について確認をおこなっているとコメント。そのひとつの例としてコンソールでの動作が挙げられた。開発の最初期からコンソール向けのデモが制作され、検証をおこなっているという。そして、こうしたコンソールでの検証は、『サイバーパンク2077』では開発の後期になってからおこなっていたと明らかにした。

『サイバーパンク2077』は2020年12月に発売。期待作がついにローンチを迎えたとして大きな売り上げを記録したものの、発売直後には多数のバグやPS4/Xbox One版のパフォーマンスの低さについて指摘が相次ぎ、開発元の親会社CD PROJEKTの経営陣は謝罪に追い込まれた。また、PS4版がPS Storeから一時取り下げられ、Microsoft StoreにおいてはXbox One版について「パフォーマンス上の不具合が生じる可能性があります」との注意書きが掲載される異例の事態となった。

その後CD PROJEKT REDは、同作や『ウィッチャー3 ワイルドハント』の次世代機版の開発などを延期し、ゲームの改善に集中して取り組むことに。そして継続的な改善は実を結び、Steamのユーザーレビューなどで評価が好転し、ふたたび多くのプレイヤーが集まることとなった。

結果的に、同作は期待されたとおりの作品として復活することができたが、多くの費用を費やし、ほかの開発スケジュールにも影響が及ぶこととなり、開発元としては大きな回り道をしてしまったことには違いないだろう。今回のWalder氏のコメントからは、「Polaris」では同じ過ちを繰り返さない開発体制が構築されていることがうかがえる。

『ウィッチャー』シリーズ新作「Polaris」の発売時期は未定。なお、CD PROJEKT社長のAdam Kiciński氏は昨年10月に実施した投資家向け説明会において、本作はUE5を用いた最初のプロジェクトであり技術的な準備に時間を費やす必要があるとし、発売は当時から数えて3年以上先になるとの見通しを示していた。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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