『オーバーウォッチ2』ハンゾーが使用禁止になり即復活。オプション追加によるバグで生まれた超高火力弓矢

 

Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は10月13日、『オーバーウォッチ2』 においてプレイアブルキャラのハンゾーに一時的な利用制限をかけた。これは、シーズン7で実装された機能で生じたバグの影響による制限。同ヒーローは、本来の動作上あり得ない高ダメージを連発できる状態となっていた模様。このバグはやや異例の高速修正対応が完了している。


『オーバーウォッチ2』は Blizzard が手がけるオンライン対戦FPSゲームだ。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして2022年10月5日に配信を開始した。本作は、10月11日より新シーズンとなるシーズン7が開幕。同社の手がける『ディアブロ4』とのコラボイベントやハロウィンイベントも復刻。これにあわせて、複数のヒーローに性能調整および操作の快適性を向上する意図の追加入力オプションが追加されている。


今回広範な利用制限を受けつつも“即復活”したのは、同作におけるDPSヒーローのハンゾーだ。ハンゾーは、弓矢による攻撃を主体とし、遠距離から高ダメージを与えるプレイスタイルを得意とするヒーローだ。同キャラクターの基本攻撃は、弓を引き絞る溜め時間に応じて、ダメージおよび有効射程が増加していく性質をもっている。今回発生していたバグでは、通常必要とされる弓の溜め動作を省き、常に最大限まで溜めた射撃を連発可能となっていた模様。

ハンゾー本来の通常攻撃となる弓矢は、溜め動作無しによる最短の間隔で発射した場合、飛距離も短く1発で27ダメージしか与えられない性能となっている。ところが、今回のバグの影響下においては、その最短間隔で常に最大威力の1発120ダメージの矢を発射可能だったのだ。このダメージは本来と比較しておよそ4倍以上。ゲームバランスを崩壊させる驚異的な性能となっていた。このバグは、シーズン7でハンゾー向けに実装された追加入力オプション「追加入力を切り替え」の影響を受けて生じたものとされている。


こうした状況を受けて、 Blizzardは10月13日、ゲーム内のライバルマッチおよびクイックプレイにおいてハンゾーの利用を一時的に制限することとなった。なお、今回の利用制限は日本時間午前2時30分ごろに告知され、午前6時には解除されたことが同作リード・ヒーローデザイナーのAlec Dawson氏から報告されている。制限開始から解除までに要した時間はおよそ3時間半。迅速に修正対応されたと言えるだろう。ちなみに、同作では過去にもバスティオン、トールビョーンといったヒーローが、アビリティ関連の不具合によって驚異的な性能を発揮してしまい“お休み”となる事例があった(関連記事)。今回の事例では、かなり短期間の“お休み”だったといえるだろう。

なお、同作エグゼクティブ・プロデューサーJared Neuss氏は、利用制限の解除報告にあわせて「ハンゾー嫌いの皆さんにはすみません。少しでも“Hanzo-free(ハンゾー不在)”な至福の一時を楽しんでいただけたでしょうか」とのコメントを寄せている。これは、一撃ヘッドショットキルなどにより、ハンゾーが時としてプレイヤーの反感を買うことが少なくないことを踏まえたジョークなのだろう。

オーバーウォッチ2』はPC/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに配信中、シーズン7が10月11日より開幕中だ。