X(旧Twitter)において10月3日現在、海外ゲーム開発者らが「初めて開発に携わったゲームと直近で開発に携わったゲーム」を紹介。投稿を寄せ合い、にぎわいを見せている。
今回ゲーム開発者らが紹介しあっているのは、「初めて開発に携わったゲームと、直近で開発に携わったゲーム(The first game I worked on and the most recent game I have worked on)」だ。ゲームのパッケージ画像を添える形式での投稿が通例となっているようだ。ゲームタイトルを挙げることで自身の歩んできたキャリアを振り返るという、ゲーム開発に携わる者ならではの話題として、多くの関心を集めているのだろう。本稿では、一連の投稿の中から興味深いものをいくつか紹介したい。
始めに紹介するのは、ゲーム開発スタジオPolygon Treehouseのクリエイティブディレクターを務めるAlex Kanaris氏の投稿。同氏が挙げたタイトルは『Ghost Hunter』と『Mythwrecked: Ambrosia Island』だ。『Mythwrecked: Ambrosia Island』は同スタジオが現在開発中のタイトル。一方の『Ghost Hunter』は2003年にPS2向けにリリースされた作品で、幽霊を題材にした三人称視点シューターだ。続くリプライ欄では、当時のPS2ユーザーらから同作を楽しんだ思い出が寄せられている。『Ghost Hunter』を手がけたのは当時のSony Computer Entertainment Cambridge。同氏はアーティストとして同スタジオに参加し、同作に携わっていたようだ。同作がリリースされたPS2は、据え置き型のコンソール機として3世代も前の機種。同氏がゲーム開発に携わってきた長年のキャリアにあわせて、現在に至るまでのプラットフォームの変遷が思い起こされる投稿だ。
同様に長い歴史を感じさせる例として、Ubisoftの開発者向け広報用アカウントも興味深い投稿をおこなっている。こちらで挙げられたタイトルは、同社が1986年に手がけた8bitコンピューター向けタイトル『Zombi』と、現在10月5日のリリースを間近に控えている『Assassin’s Creed Mirage(アサシン クリード ミラージュ)』だ。こちらは開発者個人ではなく会社アカウントとして開発者間のブームに乗じた、ジョークめいた投稿といえそうだ。ただ30年以上の長きに渡りゲームに携わってきた老舗ぶりもうかがえる。
一方で、直近に手がけた作品として未発売タイトルを挙げ、大きな注目を集めている例もある。その投稿者は、デベロッパーCrytekにてシニア・レベルデザイナーを務めるJulien Eveillé氏だ。同氏は、初めて手がけたタイトルとしてArkane Studiosが開発した『Dishonored 2』を、直近にCrytekで手がけているタイトルとして『Crysis 4』を挙げた。『Crysis 4』は、2022年に制作が発表され、現在開発中とされている『Crysis』シリーズの最新作だ(関連記事)。長らく公式からの続報がないこともあってか、リプライには、続編の存在を知らずにいたファンからの驚きなど多数の反響が寄せられることとなった。なお同氏は『THRESHOLD』というゲームを個人開発しており、厳密にはこちらが最近手がけたタイトルといえるそうだ。
こうした動向は、他者の投稿に触発された開発者が、自らの例を続けて紹介する、という数珠つなぎのような広がり方を見せている。そのため、明確にどの人物に端を発し、いつ頃から始まったムーブメントかは定かではない。本稿執筆にあたって調査したところ、少なくとも2020年9月頃には「自身が開発したタイトルの最初と最新(直近)を併記」という形式での投稿があったことを確認できた。
一連の形式での開発タイトル紹介は現在も続いており、過去と現在でまったく別ジャンルの作品が挙がる開発者もいたり、近しいテイストの作品が並ぶ開発者もいたりと、その内容は人によりさまざまだ。自分の見知ったタイトルの開発者が、過去には意外なタイトルの開発に関わっていたこともあるかもしれない。気になった人はチェックしてみるとよいだろう。