ドラガミゲームスが現在開発中のアクションゲーム『Lollipop Chainsaw RePOP』について、同社は“Uncensored(規制なし)”でのリリースを実現すべく最優先で取り組んでいるという。代表取締役社長の安田善巳氏がSNS上でコメントしている。
本作は、2012年にPS3/Xbox 360向けに発売されたアクションゲーム『ロリポップチェーンソー』のリメイク版だ。ゾンビハンターの末裔であり、学校ではチアリーダーとして活躍する主人公ジュリエットが、アメリカ西海岸にあるハイスクールを舞台に、ゾンビになってしまった同級生たちと戦う。ジュリエットはチェーンソーを武器とし、チアで培った軽快なアクションと、豪快なチェーンソー攻撃の数々でゾンビを蹴散らしていく。
安田善巳氏は、オリジナル版でプロデューサーを務めていた人物。昨年5月にドラガミゲームスを設立し、前職の角川ゲームスより一部事業を承継したことで、『ロリポップチェーンソー』をリメイクする運びとなった。『Lollipop Chainsaw RePOP』の開発は、安田氏をはじめとするオリジナル版に携わったスタッフと、ドラガミゲームスのスタッフが担当。なお、オリジナル版を手がけたグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏や、映画監督James Gunn氏は参加していない。
リメイク版がどのような内容になるのかについて、これまでのところあまり情報は出ていない。開発が発表された際に、オリジナル版で使用された一部版権曲を新曲に差し替えることや、よりリアルなテイストのビジュアルへシフトする可能性があることについて言及されたくらいだ。また安田氏は、ゲームのテンポ感やミニゲームのバランス調整について修正したいとも述べていた。
そうしたなか安田氏は今年9月1日、本作を“Uncensored”とすることについて「実現すべく最優先で取り組みます…!!!」とSNS上でコメント。さらに9月29日には、ジュリエットのコスチュームについてもUncensoredとし、ファンの期待に応えると述べた。オリジナル版での表現が、リメイク版において規制されることのないように取り組むと宣言された格好だ。
オリジナル版では、チェーンソー攻撃によってゾンビの腕や足、胴体が切断されたり、首が飛んでいったり、あるいは股の下から斬り上げて縦に真っ二つにしたりし、それに伴う流血表現もあった。そのためか、日本では表現を抑えたCERO:Dバージョンと、海外版準拠のCERO:Zバージョンに分けて発売。もっとも、断裂時にはハートや火花が飛び散るなどポップな演出が取り入れられており、惨さが強調されるようなものではなかった。いずれにせよリメイク版でも、そうしたゾンビをぶった斬っていく表現がそのまま収録されるようだ。
もうひとつ言及されたコスチュームに関しては、オリジナル版では主人公ジュリエットに多数の着せ替え衣装が用意され、今回安田氏が投稿したウサギの着ぐるみもそのひとつ(投稿画像はオリジナル版のものである模様)。ほかにも、たとえば「貝殻ビキニ」や「セクシーライダースーツ」、また人気漫画などとのコラボ衣装も用意された。
貝殻ビキニとセクシーライダースーツは、ラインナップのなかではひときわセクシーなコスチューム。とはいえ規制されるほど過激なデザインかというと、それほどでもないように思える。ただ、ジュリエットが18歳の高校生との設定だということを考えると、特に海外ではより厳しく見られる可能性はある。
近年日本のゲームにおいては、レーティング機関による審査に通らなかったり、プラットフォーム側から要請を受けたりして、海外版の発売が見送られたり表現が規制されたりした例がこれまでにあった。たとえば『オメガラビリンスZ』では、女学園を舞台とし“一年生”という設定のキャラクターもいることから子供を性的対象にしていると指摘され、イギリスでの発売が認められなかった(関連記事)。
今回の安田氏の一連の投稿は、ファンから寄せられた質問に回答したもの。『ロリポップチェーンソー』は、上に挙げた作品ほど露骨な性的表現を含むわけではないが、近年の風潮からリメイクするにあたって何らかの表現規制がなされるのではと危惧したファンがいたようだ。それに対し、開発元として規制なし実現を最優先として取り組んでいると回答されたことで、歓迎する返信が寄せられている。
『Lollipop Chainsaw RePOP』は、2024年夏に発売予定だ。対応プラットフォームは未定である。